カゼグサ
暮らしとの関わり
 昔の農道には沢山のカゼグサが生えていた。稲刈りの頃になると大きく成長して、稲を背負って歩く邪魔になった。 
 歩くときに、すねに穂があたった時のこそばゆい様な感触を今でも思い出すことができる。
 また、子どもの頃に、道ばたのカゼグサの先端を結わえて置いて歩いてきた仲間が足を引っかけてつまづく様を見て喜んだものだった。

 (写真2010.10.15 上石黒 嶺坂)


             草姿

写真2010.10.20 下石黒

          子どもの遊び

写真2010.10.15 上石黒 

               草姿

写真2011.11.2 大野

  

解 説
イネ科
 本州から九州までの農道や土手に生える多年草。根は強く大きな株になる。踏みつけにも強い。
 茎は分枝せず根元から多数斜上し高さ40〜60pほど。
 葉は葉身の基部には白色の毛が生え葉鞘は平たい。葉身は線形でとがり長さは20〜30p。葉鞘の口元には白く細い毛が密生する〔左下写真〕
 花期は8〜10月。花序は円錐形で長さ20〜40p。小穂はまばらにつき紫色で光沢があり長さ6〜7o。柄は糸状〔上写真〕。扁平な披針形長楕円体で7個前後の花からなる。
 包穎は先端が鋭くとがり透明。護穎は卵状楕円形で鋭い主脈があり両辺に細かな鋸歯がある。内穎は短く、穎果はやや角のある楕円形で赤褐色、長さ1oほど。
 名前の由来は「風草」で風が吹くと穂がよく揺れることによるという説がある。 牧野植物図鑑では、かつて本品を風知草にしていたところに由来するとしている。



   葉鞘口元の白毛

写真2007.9.1 上石黒

          根
写真2008.10.5 大野