ハルジオン(ハルジョオン) | |
暮らしとの関わり 雪がすっかり消えてカタクリやキクザキイチゲの花が咲き終わった頃に、道の端や土手などに無造作な感じて咲いている花である。ヒメジョンより1か月ほど早く開花する。 人目をひくのは、白〜濃紅色の変化に富む花の色の魅力であろうか。→参考写真 よく見ると花びらは極めて細く、付け根の部分は白く、先にいくほどピンク色が濃くなっている。頬紅を刷毛でそっとつけたような染まり方が絶妙である。 しかし、蕾が垂れ下がる性質のため全体の姿が損なわれてしまう。 牧野植物図鑑には「関東の都会や郊外に広がりつつある」とあるが、その後、「戦後、関西にひろがり現在では全国に見られるようになった」との記述が見られる。 ヒメジョンとは、「花弁の幅が狭く糸状のように見えること」、「茎が中空であること」で容易に区別できる。 (写真上・右上2004.6.13下石黒 ) 市街地周辺から黒姫山を背景に 写真 2014.5.2 平井 写真 2023.5.12 藤井 ハルジオンの根 写真 2009.5.8 寄合 田のクロ(畔)に咲くハルジオン 写真 2007.5.27 下石黒 写真 2012.6.2 板畑 嶽 ハルジオンの小群生(花の色比較) 写真 2005.6.8 大野 開花の様子 写真 2009.5.8 寄合 総 包 写真 2009.5.8 寄合 |
解 説 キク科 今では北海道から九州に見られる北アメリカ原産の越年草の帰化植物。要注意外来植物。ハルジオンともいう。 茎の高さは30〜80pで開出毛があり中空。 根生葉は開花期にも生きていて長楕円形またはヘラ形で翼のある柄がある(左写真)。葉の質は薄い。茎葉の基部は茎を抱き耳のような付き方をする。〔上写真〕 両面に軟毛があり縁には鋸歯がある。 花は5〜6月。頭花は散房状につき、直径1.5〜2.5pほどでヒメジョオンより大形である。舌状花は細く多く、ピンク色のものが多いが白〜濃紅色まであり変化に富む。(下写真)開花前の頭花はうつむいてしおれたように見える(下写真)。 総包片は3列で形は皮針形〜線状皮針形で背に微毛がある(左下写真)。舌状花は3列でふつう淡紅色。 そう果は扁平な広倒皮針形で長さ0.8o。冠毛は長さ2.5oで毛は細い。 ヒメジョンとは、茎が中空で葉が茎を抱き蕾が垂れる〔下写真〕ことで区別できる。 名前は牧野富太郎命名で春に咲く紫苑(シオン)の意味。 花の色のいろいろ 写真 2005.6.8 大野 総苞片 写真 2009.5.8 寄合 ツボミをつけたハルジオン 写真 2009.5.8 寄合 葉のつき方と茎と葉の毛 写真 2009.5.8 寄合 茎の断面 写真 2009.5.8 寄合 |