ヒメジョオン | |
暮らしとの関わり 道ばたや田畑の周りにどこでも見られる。ハルジオンより1ヶ月ほど遅れて咲き出すが花期は長く10月頃まで。 石黒では、昔から、「のめし花」と呼ばれ、家の周りにヒメジョオンの花が咲いていると草取りも出来ない怠け者とされるなど余り好かれない植物であった。 幼い葉〔ロゼット状の根生葉〕のうちに除草しておけば花をつけることはないことを言ったものであろう。 はびこる性質もあり昔から、嫌われ者の強害草の一つであったようだ。 確かに筆者も、草刈りをしていてハルジオンは刈り払うのが惜しい気がしたがヒメジョオンに対しては、そのように感じた記憶がない。 今日〔2014.6.18〕、藤井地内で用水路の上に倒れるように咲いているヒメジョンの花をまじまじと見た。純白で細い舌状花に囲まれた花の清楚な美しさに感動した。→参考画像 また、しばしば開花した大きな群落に出会うと見事だと思う。〔参考写真〕 似た植物にヒメシオン〔在来種〕があるが、未だ確認していない。石黒や柏崎市街地周辺に分布するかどうかもわからない。 ヒメジョンのファイルを整理したところ、五、六年前に撮った村の御夫婦(当時共に82才)の田植えをバックにした写真が混入していたので掲載した。→写真。※だが、よくよく見るにこれはハルジオンのようだ。花びらが糸状なのと葉が茎を抱いている様子から分かる。 昨年(2014)まではお元気で野良仕事をされていたが今は、お二人とも老人施設に入居されてしまった。故郷の四季を彩る植物たちは世代をつないで生き続けているが、人々は過疎化のため、故郷で世代をつなぐことかなわず年々減り続けている。 今では筆者が子どもの頃の人口が20分の1にも満たない限界集落と化してしまった。 (写真2005.6.12寄合) 刈り残された花期ヒメジョン 写真2007.6.17大野 ヒメジョオンの花 写真2009.6.15下石黒 紫色を帯びたヒメジオョンの花 写真2009.6.15下石黒 清楚で美しい花 写真2015.6.23春日 夏のヒメジョンの花(二番芽) 写真2015.7.2藤井 背景は黒姫山 ヒメジョオンの根 写真2009.6.15下石黒 根生葉 写真2009.6.15下石黒 |
解 説 キク科 日本全国どこにでも見られる一年草ないし越年草。明治の初めに北米から渡来した帰化植物。要注意外来植物。 茎は直立して高さ30〜150pで白いズイがあり中空ではなく粗毛がある〔下写真-ヒメジオンとの区別点〕。 根生葉は長い柄があり卵形で長さ4〜15p、幅1.5〜3pと大きいく基部は細くなって翼のある柄となる〔下写真〕。 茎葉は狭卵形または皮針形で互生し全縁あるいは粗い鋸歯があり、葉縁と下面の主脈上に毛がある(下写真)。ハルジオンと異なり茎を抱かない〔上写真〕。 花期は5〜10月。茎上部を枝分けして白い頭状花を多数つける〔左写真〕。頭花は径2p内外。総包には長毛がある。舌状花は白色〜淡紫色で線形。長さ7〜8o、幅1oほど。 そう果は長楕円形、長さ0.8o。 名前の由来は牧野富太郎命名の春紫苑(ハルジオン)に対して姫紫苑と名付けたもの。 ヒメジョオンの根生葉 写真2004.12.18下石黒 長い柄のある根生葉 写真2009.6.5下石黒 主脈上の毛 写真2009.5.8下石黒 吸蜜するヒョウモン蝶 写真2009.6.3下石黒 総苞の長毛 写真2005.6.30下石黒 ヒメジョオンの茎断面 写真2005.6.30下石黒 根の様子 写真2015.6.24田塚 |