ゴウソ | |
暮らしとの関わり スゲ類にはカサスゲやホンモンジスゲなど昔から利用されてきた馴染みの種が多いが、種類が多く区別がつきにくい。 しかし、タヌキランやゴウソは子どもの頃から親しみをもった植物であった。 昔は田の畦などにも多く生えた。甘いもののなかった終戦直後の子供(筆者)たちは、畔草取りをしていてゴウソの茎の先に垂れ下がる雌花の穂を見て、その形から甘いお菓子を連想したものだった。 (写真2005.7.3居谷) 雌小穂 写真2005.7.3居谷 雌穂の基部の包 写真2005.7.3居谷 群生 写真2009.6.9下石黒 果実期 写真2012.7.9大野 |
解 説 カヤツリグサ科 日本全国の田の畔や湿地に生える多年草。根は強く長い。 茎は鋭い3稜があり〔下写真〕基部の鞘は葉身がなく高さ30〜70p。 葉は線形で長さは20〜30p、幅4oほどで縁はざらつき、下部は長い葉鞘となる。鞘の外面には毛がある。 花期は6月。茎の頂に1個の雄小穂をつける。その下方に3〜4個の雌小穂をつける。雄小穂は線形で長さ3p。雌小穂には長い柄があって垂れ下がり花柄の基部に長い糸状の包をもつ〔左写真〕。 果穂は幅7oほどの太い6角柱形で長さは1.5〜3.5pくらい〔左上写真〕。灰緑色に淡褐色がまじる。鱗片は卵形で赤褐色、背に3脈があり鱗片の先端から針状の芒〔のぎ〕となる〔上写真〕。 果胞はやや長く倒卵状楕円形で全面に乳頭状小突起がある。柱頭は2個。 その姿か「鯛釣りスゲ」の異名もある。 名前の由来は郷麻(ごうそ)の意味で葉を物を結ぶのに用いたことによるといわれている。 3稜あるの茎 写真2005.7.3居谷 花期 写真2009.6.9下石黒 種子 写真2012.7.9大野 |