コシノホンモンジスゲ
暮らしとの関わり
 石黒では山の斜面や林の縁などによく見かける植物である。石黒では「タツノケ」と呼んだ。
 昔から、タツノケはミノボウシなどの材料として使われた。夏の内に採取してすぐって、陰干しで色よく乾燥する事が大切であった〔下写真〕。
 タツノケで作ったミノボウシは数十年にわたって使うことが出来るほど丈夫であるばかりか民芸品としての美しさもある。
 松沢川の上流の林の斜面には長くて立派なタツノケが沢山生えていたものだという。

ビデオ資料→ミノボウシの編み方
写真2005.5.8 下石黒


        コシノホンモンジスゲ

写真2005.5.8下石黒

 
 ミノボウシの材料として採取して乾燥したもの

                 写真提供 大橋由勇


解 説
カヤツリグサ科
 主として新潟、富山、長野県北部の乾いた林の中や縁に生える常緑多年草
 種別としては関西にあるニシノホンモンジスゲと東北にあるミチノクホンモンジスケの中間種とされる。 
 時には匐枝(フクシ→地に着いた茎から根が出ること)が見られる変種であるという。
 細長い地下茎を出し葉が群がり出て密な株をつくり高さ40pくらい。鞘部は濃い褐色。
 花期は4〜5月。ホンモンジスゲより株が密集する。
 葉は幅2〜3oでかたい。昔からミノボウシなどのスゲ細工の材料として用いられた〔左写真〕
 名前の由来は日本で初めて採取された所が東京の南方の池上本門寺であったことと、越−信越地方に自生するため。