タヌキラン
暮らしとの関わり
 石黒では「イワスゲ」と呼んだ。
 石黒川の本流や支流の川沿いには多くのタヌキランが見られる。
 春の開花の頃には可愛らしい草姿であるが、夏の頃になると大株になり、葉の長さは1mにも達する。〔下写真〕
 また、石黒川沿いには所々に群生がみられる。特に、鯖石ダムに近い寄合地区の川の岸壁には大きな株が群生している。
 昔は、この葉を夏の頃に取って乾燥させて蓑などを作ったり花柄の部分で三角ちまきの結わえ紐として使った。

参照画像→石黒川沿いのタヌキラン

 (写真2010.4.21 居谷国道沿い)


         新芽と前年の長い枯葉

写真2010.5.16 寄合松沢川

               花期

写真2010.5.21 寄合松沢川

          初夏の頃のタヌキラン

写真2010.6.18 上石黒川沿い

※花の咲き方→筆者の観察する限り、雄花は雌花が開花する前に咲き、雌花は雄花が開花期を過ぎてから咲くようだ。
(10例余の個体の観察で)→下写真参照



写真2010.5.18 落合

       海岸のタヌキラン(オオバギポウシと混生)
写真2012.10.8 笠島海岸
   
解 説
カヤツリグサ科
 本州中部以北から北海道西部にかけて分布する多年草
 根茎はごく短い。
 茎は株立ちとなり、太くの高さ30〜100p。基部はサヤとなって片側は淡褐色の膜質である。
 葉はやわらかく花期の頃は長さ20〜30p、幅は5〜10oだが結実後は、1mにも達し岩場に垂れ下がる。〔左写真〕
 葉舌は淡赤褐色でほとんど糸網状の繊維はみられない。縁はざらつき基部はサヤ状になっている。しばしば川沿いの湿った岸壁などに群生する(参照画像)。
 花期は4〜5月。小形の葉のついた花茎を伸ばして先端に1〜3個の雄花穂をつけ、その下に長い柄のある雌花穂を3〜6個ぶら下げる〔上写真〕
 雄花穂の長さは2〜4p。
 雌花穂の形は球状広楕円形で長さ2pほど長い柄をもつ。また、下方雌花穂の付け根には花穂よりも長いサヤのない包がある。鱗片は楕円形、紫褐色で芒がある。
 果胞は柄をもち薄膜質で狭い長披針形で鱗片より長く12〜15o。脈がなく特に縁に毛があり扁平、上方は細くなって長い〔くちばし〕がある。柱頭は2個あるが落ちる。
 この雌花穂を狸の尻尾に見立ててタヌキランの名前がついた。  


    雄花穂と雌花穂
写真2009.5.8 居谷


    成熟した雌果穂
写真2009.5.8 居谷

写真2009.5.8 居谷

        雄花穂

写真2009.5.8 居谷

     晩秋のタヌキラン

写真2006.11.2 寄合