カサスゲ | |
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暮らしとの関わり 石黒では、カサスゲはスゲ笠の材料として貴重な植物であった。また、冬の民具スゲボウシの材料としても用いられた。〔下記資料参照〕 カサスゲはお盆過ぎから9月の上旬に山から採ってきて葉先を束ねてつるして乾燥した。 葉の根元が黒味がかった頃に採取適期で株立ちの葉を引き抜いて、陰干しにすることと、夜露に当てないことが色合い良く乾かすコツであったと伝えられる。 昔は、菅笠はどこの家にも4〜5個は備えて置いたほど大切な雨具であり、山に自生しているカサスゲは大切に保護し活用した。参考資料→衣 カサスゲを材料に作られた笠にはスゲガサやヤマガサがあり、時には大型のコモリ(子守)ガサなども作る人がいた。 筆者が小学生のころ(1940代)は、太平洋戦争直後であり物資のない時代で、雨の日にはスゲガサを被って登校した。裸足に半ズボン、スゲガサ姿で昇降口まえの水をためた足洗い場で二、三度足踏みをして笠を雨具賭けに引っ掛けて校舎に入るのは手間がかからず便利であった。 また冬期にはスゲボウシやミノボウシを被って登校した。 資料→山ガサの作り方 資料 スゲボウシの作り方 後篇 スゲボウシの作り方 前篇 (写真2004.8.26 落合 右下2007.10.2落合) 春の若草 写真2009.4.19 大野 茎の根もと 写真2009.10.14 下石黒 |
解 説 カヤツリグサ科 北海道から九州の湿地に長い根茎を伸ばして群生する多年草。 茎は束生直立し太く3稜柱で、根元には褐紫色の鞘状葉がある(左下写真)。高さ50〜100p。 葉は幅1pほどで根生し茎に互生する。葉鞘の内側は網状の繊維に分裂し、葉身は幅広い線形で幅5〜8oほどで強靱である。 花期は5月〜6月で茎の先に長さ5〜8pの雄小穂をつける〔上写真〕。そのやや下方に2〜3個の円柱状の雌小穂を斜めに出してつける〔上写真〕。雌小穂は長いもので10pを越える。最下のものはしばしば先端は雄花部となることがある。雌花の鱗片は卵状披針形で鋭くとがり、紫褐色、ふちは白色、中脈は緑色(下写真)。 果胞はわずかに鱗片より長く卵状披針形、先は鋭くとがり無毛、柱頭は3個のちに落下する。 名前の由来はカサをこの葉で作ったことによる。 果胞と頭注 写真2009.5.15 落合 花期 写真2009.6.9 下石黒 |