アメリカネナシカズラ | |
暮らしとの関わり 石黒ではネナシカズラはよく目にするがアメリカネナシカズラは希である。柏崎市の海岸にはよく見られる。→下写真 上の写真は寄合集落の県道沿いで撮った。その場所〔通称ヤセングラ〕は石黒川辺で土砂崩れによる修復工事が何度も行われた場所であり、搬入土砂に種子が混入して運ばれたものかも知れない。 よく見ると、右下写真のようなものがツルについていたので調べてみると虫えいであった。寄生植物に寄生動物とは驚くが、この虫えいにゾウリムシの一種が寄生することもあり、さらにそのゾウリムシに寄生するハチもいるというから、動植物の生態は奥が深く実に興味深い。 現在(2012)柏崎海岸では、ハマゴウに寄生しているアメリカネナシカズラをよく見かけるが、寄生されたハマゴウは枯死する。→参考画像-ハマゴウ また、筆者は海岸で出会った各個体はすべて確認しているが、柏崎海岸では未だハマネナシカズラには出会わない。しかし、1981年刊の「柏崎の植物」にはハマゴウにからみつくハマネナシカズラの写真が掲載されている。思うに、アメリカネナシカズラが初めて日本で発見されたのが1970年代であるといわれているので、「柏崎の植物」が発刊された時代には未だ柏崎には分布しなかったのであろう。 だが、その後柏崎海岸にもアメリカネナシカズラが帰化し現在にいたり、ハマネナシカズラを絶滅または絶滅寸前に追いやっているのが実情であろう。 海岸のアメリカネナシカズラは筆者が観察を始めて以来、2012年頃の荒浜海岸に大発生したが、現在(2015.6.20)の中央海岸の発生はそれを上回る勢いである(下写真)。 今日、山中村古文書整理で図書館にむかう途中住宅地の中にアメリカネナシカズラがハマヒルガオと繁茂している様を見て珍しいと思って撮影した。おそらく建物を取り壊した後の整地の海砂ともに運ばれてきたものであろう。(下写真) (写真2007.8.14 寄合) 花拡大写真1 写真2007.8.14 寄合 花拡大写真2 写真2007.8.14 寄合 海岸の個体 写真2014.6.24荒浜海岸 中央海岸のアメリカネナシカズラ大発生 写真2015.6.20中央海岸 ハマヒルガオに寄生する個体 写真2016.9.12裏浜 宅地の空き地のアメリカネナシカズラ 写真2015.10.26諏訪町 |
解 説 ヒルガオ科 北アメリカ原産の帰化植物。一年性の寄生植物。主に海岸や河原でハマゴウやでハマヒルガオやヨモギに寄生するが他の植物にも寄生する。 要注意外来植物。 発芽当初は地中に根をはるが寄生相手を見つけると寄生根を相手に食い込ませて自分の根は枯らしてしまう。 茎は細い紐状、左巻きで全体が淡黄色ないし淡橙色の糸状で葉はなく緑色の部分はない〔左上写真〕。 7〜10月に小さな白い花を頭状に集まって咲かす。個々の花は柄をもち直径1.5〜2oほど。 花は広鐘形で、花の上半分は5裂し反り返り先端だけを上にむける〔左写真〕。雄しべ5個は短くて花の筒部分の内側につく。 果実は径3oほどの球形で熟しても規則的な開裂はしない。種子は4個あり長さ1oほど。 突起状の吸盤 写真2014.6.24荒浜海岸 アメリカネナシカズラの虫えい 写真2007.8.14 寄合 1oほどの短い柄 写真2007.8.14 寄合 ハマゴウに寄生する様子 写真2016.7.8松波海岸 伸びる先端 写真2012.8.23荒浜海岸 |