ネナシカズラ
暮らしとの関わり
 お盆の頃になるとネナシカズラが日当たりの良い道端や山の斜面に急に目立つようになる。とくに黒姫山方面には多く見られる。
 上の写真は、花坂新田水路の脇で撮ったものである。昔はそれほど目立たなかったことから近年とくに繁殖している植物であろう。
 近年、石黒でも、アメリカネナシカズラも希に見られるようになった。

(写真2005.8.25花坂新田水路)


           ネナシカズラ

写真2005.8.25花坂新田水路

 成熟して横に割れたさく果と種子

写真2009.1.8板畑 嶽 〔記録的な小雪〕

      5裂する花とガク

写真2005.7.19板畑


解 説
ヒルガオ科
 日本全土の山野に生えるツル性の一年生の寄生植物
 茎は針金状の黄白色で暗紅色の斑点がある〔上写真〕
 発芽直後は普通の植物のように土中に根をはり葉をもつ細い茎を伸ばし寄生する植物を求めて伸びる。
 やがて好みの植物が見つかるとからみつく。吸盤を出し養分をとるようになると、基部は枯れて根や葉はなくなり完全寄生する。
 葉は鱗片状で三角形、長さ2o内外〔下写真〕
 花期は8〜10月。短い穂状の花序を出し白〜淡黄白色の花を多数つける。花は無柄または極短い柄がある。
 ガクは円形で5裂し花冠は質がやや厚く鐘形で上方が5裂する〔左写真〕。長さ3.5〜4o。雄しべは5個。
 さく果は卵形で成熟すると上部の蓋がとれて中の少数の種が撒布される。さく果の長さは約4o。種子は黒色で径は約2o〔左写真〕
 名前の由来は他の植物に寄生し寄生根を出すと下のツルは枯れてしまう生態による。



    鱗片状の葉

写真2005.7.19板畑 

        さく果

写真2009.1.8板畑 嶽