アオダイショウ
暮らしとの関わり
 アオダイショウは、シマヘビとともに子どもの頃から最も多く接してきたヘビであろう。
 私たちが子どもの頃はヘビの天敵(?)であった。見つけると追い回して捕まえ、殺したものである。ヤマカガシ以外のヘビはおとなしく自ら向かってくることはなかった。ちなみに、その頃には未だヤマカガシの猛毒は知られていなかったようだ。少なくとも私たち子どもは黄色い首輪をしたようなヤマカガシには親しみさえを感じていた。ただ、筆者の経験では、自家の飼い猫がヤマカガシをもてあそび噛まれて口から泡を吹いて苦しんでいる様子を見て驚いた。現在ではマムシを上回る毒を持つことがわかった、
 当時の子どもも、大きなアオダイショウに出会うと、さすがに手がでなかった。中学生の頃〔昭和30年代〕に村の車道を渡る3mを越えるアオダイショウを父と共に見て驚いたことを忘れない。太さは子どもの腕の太さを越えていた。
 アオダイショウは茅葺きやの屋根裏などに住みつくこともあったが、ネズミを捕るために好意的に扱われた。
 今日(2017.9.19)に、近所の方から家の脇の歩道に小さな蛇の死骸があり、マムシの紋様に似ているとの連絡があり、案内して頂いて見るとアオダイショウの幼蛇であった。この辺の市街地も30年ほど前は周囲に水田や草地があったので蛇は庭などにしばしば見られたが今は見かけない。市街地のみならず周辺に山沿いにも見かける回数が最近激減しているようだ。石黒でも同様である。その原因はおそらく主な餌となるカエルの減少であろうと思われる。
 今回の歩道の死骸はおそらくトビカラスなどが落としたものと想われる。


〔写真上・右上212005.5.21下石黒〕


           路を横切るところ

 
写真2009.7.28下石黒

            水中を渡るところ
写真2011.6.3上石黒

解 説
ナミヘビ科
 国後島から九州まで分布する。日本最大のヘビで無毒。
 全長は平均1.5m。大きな個体は2mを超える。体色はふつう褐色を帯びたオリーブ色であるが、幼蛇と成蛇、または脱皮前後〔参考画像→脱皮の殻〕などにより変化が見られる。
 特に生後1〜2年までの個体はマムシに似た銭形が背中に並ぶ〔写真右下〕。しかし、マムシに比べ頭も胴もスマートで尾も細く長いので区別がつく。
 森林や草原、水辺など普通に見られるが人家や倉庫などにも入り住みつく。
 性質はおとなしい。ネズミや小鳥の雛、カエルやトカゲなどを食べる。7〜8月頃に1〜14個の卵を産卵する。



        頭部

写真2011.6.6寄合

      幼蛇死骸

写真 2017.9.19