ト ビ | |
暮らしとの関わり 石黒では「トンビ」と呼んだ。子どもの頃から親しみのある鳥の一つである。カラスと比較して姿が立派で、上昇気流を利用して飛翔する様はかっこよく感じたものだ。 子どもの頃は、時々、カラスと飛翔しながら争う姿を見た。子どもたちはトビが断然カラスより強いと信じていたが、カラスは複数で攻めることもあり、どうも形勢はトビのほうが良くないことが多かったように記憶する。しかし、今、思うにトビとカラスの争いは半分は遊びのようだった。 今日、久しぶりの晴天で畔屋方面に動植物の撮影に出かけると電柱にとまっているトビに二羽のカラスが盛んにちょっかいを出している。仕掛けるのはいつもカラスの方であるようだ。→参考写真 石黒では最近、トビとカラスの争いの場面は滅多に目にしなくなったが、両者の個体数が減少して餌のとりあいがなくなったのであるためかも知れない。カラスの個体数は確かに減少している。 上・上右下写真2009.10.12 下石黒 政栄 上右上2005.9.24板畑 旋回飛翔しながら地上の餌を探すトビ 写真2006.9.25下石黒 木の枝から飛び立ったところ 写真2012.10.18下石黒 カラスとじゃれ合うトビ 写真 2018.4.19 鯨波 |
解 説 タカ科 九州以北に留鳥として分布する。全長60〜65p、翼開長150〜160p。体重は軽く嘴や脚の力は強くない。体色は褐色の中に白がまだらに混じる。 主として標高500m以下の山地及び平野部や海岸など、人が住んでいる周囲に棲息する。飛んでいるときには翼の先端近くに白い模様が見える〔上写真〕 主に上昇気流に乗り輪を描くようにして滑空することが多く羽ばたくことは少ない。視力が非常にすぐれていて上空を飛翔しながら餌を探し見つけると急降下して捕らえる。主に動物の死体を食べているといわれるが生きたカエル、トカゲ、ヘビの他にハトやキジなどを襲うこともある。 産卵期は4〜5月で木の上に枯れ枝を積み重ねて巣をつくり大抵2個の卵を産む。抱卵日数は約やく30日で、雛は孵化後やく40日で巣立つ。タカの中では親鳥にまで成長する割合が一番高いといわれている。 巣は毎年々場所に作る習性がある。 電線にとまっているトビ 写真2014.11.28畔屋 獣の死骸を食べるトビ 撮影 中村昭雄 石黒
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