民具補説 カゴドオシ・フルイ・絹フルイ・小米ドオシ ガゴドオシやフルイ、小米ドオシは、どこの家でも無くてはならない道具でした。 カゴドオシは豆打ちや小豆おとしの後で鞘殻と豆を分けるときに使っていました。
一度カゴドオシにかけて分けた後はもう一度、殻をベェでたたいて再度カゴドオシにかけて一粒でも残さずら拾い分けるのでした。 その後、トウミにかけゴミやホコリを取り除くのでした。 さらに小米ドオシにかけて選別しました。虫の喰ったものや良く稔っていないものなど不良な粒はトオシの目を通り抜けて下に落ちるので選別できるのでした。 そして最後の選別は箕の中に広げて目で見て一粒一粒拾い分けるのでした。 一方、フルイは、くず米をイスで挽いて粉にしたものを選別して粗いものはもう一度挽き直したものでした。そうして出来た粉はヨモギの葉を干したものを混ぜてよもぎ餅や団子をなどを作って食べて少しでも米の足しになるように努めたものでした。 また、フルイには絹フルイと呼ばれた目の大変細かなものがありました。このフルイにかけたものは、お湯で溶かして糊を作り障子の張り替えに使いました。その他、先祖の霊に供える彼岸に団子をつくる時にも使いました。 絹通しの粉は滅多に使うことはなく大切にして柱に釘を打ちそこにぶら下げて保存しました。 現在では米の粉を挽くこともなく、当時のようなよもぎ餅も団子も食べること出来ません。たまに温泉の売店などで買ってくるものは名ばかりで当時のものとは味も香りも全然異なります。 歳をとったせいか、昔の食べ物が頭に浮かび懐かしく思い出されてなりません。 文・図 田辺雄司(居谷) |