新建手板図  用語手引き
   

手板図
一間=六尺

〇杉定家柱
〇松サシ
板屋造り
たる木
広小前(舞)
風返し

〇屋根小羽石乗せ→
板葺きで押さえに石を乗せる造り。海岸に近い所に多い。写真資料

雁木ひさし廻り
のじ(板)ひき
水屋

〇内えん張り→
家の中の縁板を張ること。

〇敷居→
しきい
鴨居

〇土塗り→
土壁のことであろう。

〇荒付け→
この場合、土壁は塗るが仕上げ塗りは略すという意味か

建具
造作
〇地祭→
地鎮祭
棟上げ祝い→石黒の昔の暮らし-住→家普請

〇家作新建→
住宅新築の意味であろう。


       新建手板図
               覚
             一 間数間取共右
               手板の通り

             一 板屋造りにてたる木
               広小前風返共打
               家(屋?)根木羽石乗せ
   手板図
             一 雁木ひさし廻り共 
               たる木広小前打
               のじひき並びに水屋
               取付け共
             一 内いん(縁)張残らず敷居
               鴨居入二階弐た間
               板張但しさし三親柱定家
               柱二本の積り
             一 小前残らず土塗但し
               荒付けのみ

               〆て
             右の外建具畳造作
             御(小)普請などは悉く皆私方にて
             勝手に仕るべく候扨亦地祭
             手板棟上げ祝いの義も同様
             私方にて取れ計らい申すべく事

 右はこの度屋敷替地に付き家作新建の
 義手板を以ってお頼み申し入り候處御聞き済ましの上前書

 
 連  













聯印連印



.
〇木品-
きしな→ここでは柱や板などの材木


〇慶応2年



 一つ書の通り御引請け普請お取り計らい下され候趣忝く
 存じ奉り候 然る上は私古家一軒建具相除き
 残らず貴殿へ差し上げ申し候に付き早速お取こぶ(わ)し
 の上用立て候木品は御用い下さるべく候 尤も右普請中
 久八宅へ引き移り候様承知仕り候 前書の通りお取極め
 下され候外お願ケ間敷義 毛頭御座なく候 念の為
 親類聯印一札相渡し申し候處くだんのごとし
 
  慶応二丙寅年
     正月二十五日    堀越左近
                証拠人 理兵衛
                々   甚太夫
                々   善太夫


    佐藤吉左衛門殿 
 
 読み下し・用語手引き文責 大橋寿一郎