御申渡し 写し |
用語の手引 |
|
〇文化8
〇申渡
〇博奕
〇諸勝負→博奕、賽・花札等
〇領主
〇地頭
〇小前
〇等閑
|
|
|
〇畢竟
〇政決→「決」ではないか→幕府政策の意味であろう。
〇役義
〇風俗・仕癖→習慣・習わし
〇重立
〇風儀
〇顕然
〇取沙汰
〇右体
〇往古
|
|
|
〇憚る
〇愚昧
〇熟し致す→熟すが正しいとすると成長するの意味か。
〇就中
〇御趣意
〇止宿
|
|
|
〇陣屋
〇元村
〇遊興
|
|
|
〇理合
〇
〇御制度
〇風説
〇不時
〇止事を得ず
|
|
|
〇吟味
〇庄屋処(所)
〇巨細
〇奥書
〇七月晦日→7月31日
〇廻状
〇順達
〇留
〇脇野町
|
|
|
〇西室西渕新田
〇成沢村
〇広田村
〇善根村
〇石曽根村
〇門出村
〇石黒村
〇市野新田 |
|
|
|
|
|
|
備 考
本書のような文書は、近世においては、幕府や藩主から農民に対して度々出された。特に年貢を課せられた農民は、とくに厳しい統制を受けたことは当然のことであった。
本申渡は脇野町代官所から発せられたものである。本HPの近世の年表によれば、本書と同年の文化8年に「甘藷を作るように苗及び芋の斡旋について脇野町役所より触を出す」とある。
本書では、文頭に博奕を挙げその取り締まりの不徹底を指摘して、村役人に反省を促している。その他、不審者の村への侵入への警戒を怠らないこと、また、遊興的な集まりの禁止、更には居村にこだわらず広い視野のもとに精進して村の永続を図ることを勧めている。後文では五人組の機能を生かすことを促し、庄屋に本申渡しの内容の徹底を命じている。
なお、本文書は急ぎ写されたためか難読の文字が多い。(筆者の読解力不足もあるが)本文にもある通り、当文書を受け取った庄屋は村人を「庄屋へ呼び集め巨細に申し聞かせ」るのであるから、自分が読み取れればよいという意識もあったものと思われる。
それにしても、門出村から釜坂峠を越えて石黒まで、石黒村から小岩峠(あるいは地蔵峠)を越えて市野新田まで、更に留村(最終の村)の市野新田は脇野町代官所までの回送はさぞかし大変であったと想われる。夏場はともかく、降雪の冬期などは石黒村からの峠越えは命がけであったに違いない。 |
|
|
読み下し・言葉の手引文責 大橋寿一郎 |
|