五人組仕置き帳        (田辺重順家文書)  用語の検索 
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五人組仕置帳 
 
 
   五人組仕置き帳
      条々
一 前々より公義度々出し候御法度書
  の趣、いよいよ以て堅く相守り御制法の儀、相
  背かず様、村中小百姓下々まで申し附くべき事
一 五人組の儀、町場は家並み、在郷は最
  寄り次第五軒宛て組合、子供並びに下人店借
 
五人組

小百姓

御法度



下人

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宗門改帳

詮議

高札

名主

組頭

徒者
 
 地借の者に至るまで、悪事仕らず様組中
 油断なく詮議令しむべき、若し徒者これ有り名
 主の申付けをも用いず候はば、これ訴えべくこと。
一 毎年、宗門改め帳三月までの内に指し
 出すべく、もし御法度の宗門の者これ有らば早
 速申し出べく、切支丹宗門の儀御高札
 の旨相守り、宗門帳の通り人別入念
 相改めべく宗門帳済候後召し抱え候下人など寺請け状
 別紙取り置くべきこと
一 五人組宗門帳に押し候外別の印形拵え置き申す
 間敷候、もし子細候て印判替え候は名主組
 頭は役所まで相断るべき、その外百姓は名主
 組頭へ断るべし、名改め候は早速断り致し五
 人組宗門帳も改め候名を記すべき事
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切支丹ころび者



永代売買

質手形

質物

惣じて

附けたり

 一  切支丹ころびの者、並びに類族これ有る分は
   別帳にこれを記し、切支丹奉行所へ指出し置く事に
   候間他所より縁組等にて当村へ右の族来り候
   は早速注進すべき事
一  田畑山林など、永代売買御停止に候、若し質物に
   書入れ候は、十ケ年を限り質手形に名主組頭、加
   判仕らせべく候、田畑質入れ金銀借置き田
   畑をぱ金主へ作らせ候て御年貢は地主
   より出し候儀仕らず事に候、総じて証文怪敷き文言□
   これ有るは出入りになり候時、訴え取り上げず候、且つ又請け人並びに
   名主印取り申すべき事
    附けたり名主組頭へ加印頼み候は様子承け届早速加
    判いたし置くべき事
一  衣類道具又は門橋などのわろし金物の
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遊芸 



公事

神水

誓紙

徒党がましき

  類出所知らず売物一切買取り間敷候、右の品々
  質に取り又は預かり置くべからず候、出所知れ候者にても請け
  人これ無き候は質にも取間敷事
一 総じて家業を第一に相働くべし百姓に似合わ
  ざる遊芸を好み、あるいは悪心を以て公事数
  季寄せをいたし、非公事をすすめ偽りをた
  くみ害をなす者、又は不幸の輩あら
  ば隠し置かず申し出べし、何事によらず神水
  を呑み誓紙を書き候て、申し合わせ一味同心い
  たし徒党ケ間敷儀仕るべからず事
一 盗賊悪党人これ有らば訴人仕るべく褒美
  とらすべしその上あだを成さ〔ざ〕る様に申付く
  べき事
一 百姓衣類の儀、結構成る物を着すべからず名 
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内證



木綿

平百姓

綸子

〇紗

然れば

手代

乗物

蚊帳の祝儀

新宅の広め

内証

捨子
 
  主は妻子共、絹紬木綿これを着し平百姓
  は木綿の外これを着すべからず、綸子、紗(うすぎぬ)、綾(あや)縮緬の
  類えり帯にも致す間敷候、然れば平百姓にも
  身代宜しき者は、手代方まで断りを立て指図
  を請け絹紬着すべき事
   附けたり、男女共に乗り物に乗るべからず、総じて屋作り
   等目立ち候普請奢りケ間敷儀仕りまじき事

一、婿取り嫁取の祝儀奢ケ間敷儀これ無きように分
  限より軽く 仕るべく人大勢集まり大酒飲むべからず、所に
  寄り蚊屋の祝儀、新宅の広め、初産の祝い
  不相応の祝い仕る候義、停止たるべく応分限り内証
  軽く祝仕るへし並びに葬礼(野→之)の酒一切停止の事
  捨て子仕らずべし、若し他所の者捨て置き候は村中
  にて養育致し早速注進すべき事
 
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生類憐みの儀

不仁

手形

捨牛馬

馬の筋のべ


「鶴、白鳥取ること停止」→トキは当時は害鳥であり狩猟が許されていたのであろう。→鳥追い-年中行事
 
一 生類憐みの儀、心がけ不実これ無き様に仕るべき候
  不仁の儀一切仕るべからず事
一 猟師の外鳥類一切取るべからず猟師
  たりといえども鶴、白鳥取候義御停止に
  候、もし村中にて鶴、白鳥売買致す者あらば
  これを訴えべく事

一 捨て牛馬の儀、致すべからず候、もし他所の捨て牛馬並びに
  放し牛馬村へ来たり候は見出し次第に名主組頭
  へこれを告げ村中立会い詮議致し、持ち主知れ候は
  その村の名主並びに牛馬主より手形を取り相返しその
  上早々注進すべき事
一 馬の筋をのべ候義、御停止に候、馬売買仕り候は
  出所聞き届け請け人を取り五人組へ相断り売買すべし、出
  所不慥(確)かなる牛馬買い取るべからず事 
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庚申塚

地蔵

開帳

社人

山伏

行人

道心者

非人

穢多

 
 
一 新地の寺社建立の儀、堅く停止たるべし、総じてほ
  くら念仏題目の石塔供養塚、庚申塚、石
  地蔵の類田畑野山林または道路の隅にも新
  規に一切建て間敷く候、仏事、神事、祭礼等 
  軽くこれを執り行い新規の祭礼取り立てべからず事
  寺社の儀、住寺社人変わり候は注進すべき事 
  神仏開帳いたし候は注進すべし、当村神仏他

  国へ当分相移り開帳致し候義これ有らば前方注
  進、または他所より神輿を送り来たり候様成る儀これ有る
  は、これ請くべからず、村中に少しの間も指し置く間敷事
一 当村にこれ有り候出家、社人、山伏、行人、道心者または
  非人など其の外、穢多の類、常々吟味致し胡
  論(胡乱)なるもの住居させ仕り間敷候、名主組頭へ
  相達し候て他所より来たり候者一夜の宿をね仕らず
 



































逐電

〇 身上潰れ

家職

跡式

操り
  
  様に右の者共へ申し附くべき事
一 村中の者の内、あるいは逐電あるいは身上潰れ候
  て住居なり難き者これ有れば注進すべき、または他村より
  子細これ有り立ち退き来たり候者、親類たりという
  とも当村に一切指し置くべからず事
  他所の者、当村に在りつき住居つかまり度と他のみ候はその
  者の出所家職の様子聞き届け、出所の村方名
  主へこれを届け断り致し慥かなる請け人、手形これを取り、宗旨
  相改め吟味を遂げ候て、指し置くべき候、店借地借りの者
  置き候にも、右同前相心得べく事
  総じて、新規の百姓在りつき候は注進すべし、跡式の
  儀は存生の内、親類並びに名主組頭立合わせ書
  付け置き、後日に出入りこれ無き様に心がけべく事
  当村の内にて能、操り、相撲または狂言其の外見 
      
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私領

〇野衆
※住所不定の流れ者等を指すのではないか。

堂宮

雑物

胡乱

搦め捕る

  せ物の類、芝居致す間敷く候、私領にても分
  郷、あるいは村隣村境目紛らわしき地にて致し候は芝
  居始めず以前に早速注進すべき事
一 総じて、遊女、野衆の類、一切当村に置くべからず
  一夜の宿をもいたす間敷事
一 総じて、行方知れず物に一夜の宿をも□べからず
  旅人その外、何者にても堂宮、山林、道路に死人
  これ有らばその者の持ち来たり候雑物改め、名主組頭立
  会い様子委細書きつけ候て注進すべし、堂宮、山林
  隠れ忍び胡乱なるものあらば詮議せしめ所により
  からめとりこれを訴えべく、その外、手負いまたは不審なる者
  他所より来たり候は出所尋ね付け届いたし注進の
  上指図を請け候て彼者渡すべき事
一 往来の輩、もし相煩い候は早速医師に見せ 
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随分

在所

隣郷

手形

道具
   随分養生いたし、よくいたわり食物など
  入念(に)与え、看病仕り置きこれを注進すべし、行歩
  かなわず先へ参り候儀なりがたく候はば、その者の
  在所を承け届け、迎えを呼び手形取り相渡し遣わすべく
  申し候、もし病死いたし候はば、その者の道具
  など改め、名主立会い封印いたし置き指図請けるべき事
一 殺害人あるいは自害いたし候か、あるいは倒れ者これ有らば
  番人を付け置き、早速これを訴えべし、火事、盗賊、喧嘩
  手屓の者、すべて不慮なる儀出来候は右
  同前に油断なく注進すべき事
一 村中にて、もし喧嘩口論これ有らば名主組頭立ち
  会い裁判すべし、他村にて喧嘩などの節は走り集まる
  べからず、人殺し立ち退き候者これ有らば早速隣
  郷の者まで出合いからめ捕り注進すべし、からめ捕り候儀叶え難く
   
 























跡をしたい→跡をたどりくらいの意味か

永荒場

切添

脇より

越度

停止

まぐさ場

新堀

用水懸け引き→水田の用水を複数人で使うとき、あるいは用水を水路を作って引き込むときに争いが起こった。

水論

境論

脇差

長刀(なぎなた)

伝馬
 
  候は跡をしたい落ち着き所へ屹度申し届ぺく事
一 田畑荒らし置くべからず 永荒場起こし返し切り添い又は
  新田これあらば早速申し出べき、隠し置き脇より訴え候えば
  当人は申すにおよばず名主組頭まで越度たるべき事
   附けたり、たばこ本田畑多く作り候儀停止の事
一 堀を埋め又は道をせばめ、まぐさ場林ぎわを切り添い
  田畑出し仕るべからず前々よりこれ無き所へ道付け馬入れ
  仕るべからず、もし道を付け替え新堀致さず候てかなわぬ
  所これあらば指図をうくべく事
一 用水懸け引き常々申し合わせ置き諍論これ無き様
  仕るべく候、水論、境論などの場へ刀、脇差、槍、長刀〔(※なぎなた〕等
  持ち出し加担せしむる者これ有らばその科本人より重くすべし事
一 御伝馬宿へ助人馬寄せ候者問屋、名主
  吟味致しみだりに人馬触仕るまじき候、その宿の馬囲い  
  
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面々

御朱印

駄賃伝馬

人馬割り

助郷

本街道

御証文

怪しき体
 
  こい置き、面々勝手によく荷物を付け候なる儀
  一切仕らず事
一 御朱印は勿論駄賃伝馬人足の儀常々
  吟味致し置き滞りなき様につかまるべき事
   付けたり、助郷へ人馬触れ来たり候はば刻限違えずこれを
   出すべし、若し、人馬割り心得難き事候とも往
   来のもの駄賃人馬の儀、昼夜を限らず滞りなく
   出すべき事
一 御用の人馬は、申すに及ばず本街道にてこれなき候とも往
  来のもの駄賃人馬の儀昼夜を限らす
  滞りなくこれを出すべし 
一 御朱印または御証文もこれ無きも人馬出し候様に申し
  或は駄賃を出さず通り候者これ有らば、其の所により押さえ
  置き名主組頭立会い詮議の上怪しき体に候はば
  注進すべき事 
  
   








































番屋



蔵組

往還

〇小破の時
※初期の段階

自普請



〇受取場
※管理内という意味
 一 村中申し合わせ番屋を作り番人をつけ置き火事用
  心随分念入れ申し附くべく、若し出火これ有らば鳴を立候
  節、村中もの者立会い精を出し消すべし勿論
  御年貢米入れ置き候藏大切に囲い申すべく候
  もっとも藏所これ有る村方出火の節は倉組村々
  駆けつけ申すべき事
   付けたり 風これ激しき時分は中夜を限らず切々相廻り
   用心仕るべく近在出火候は早速駆けつけこれを防ぎ申すべく事
一 堤、川除き切らず様に常々申し合わせ洪水の時は村中
  の者出会い随分これを囲うべし、道橋等損ない候て往還の
  障りになり候か、田畑損亡になるべく処はすべて小破の時早
  速修復すべし自普請になり難き所は先例に随い
  申し附くべく候、触れこれ無く候ても受取場の道橋は常々
  油断なく作り申すべく事
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川除


詮議

御林

御立山

下草銭

屋敷四壁
 
一 洪水の時は堤川除き囲い候節、または盗賊、狼
  藉者並びに大事これあり鳴を立候節、村中の者
  十五以上六十以下の男は残らず出ずべしその場へ
  出会わざるば名主組頭詮議をとぐべき事
一 鉄砲の儀、猪、鹿防ぎ候ため願出で候て鉄砲渡し
  置き候の外、村中に隠し置くべからず、もっともお定めの月
  の外鉄砲打つべからず、証文の通りみだりにこれ無き
  様心得べく事

一 御林、御立山の竹木は勿論枝葉下草
  などまで公用の外切り取るまじく候、仮に下草せしめ銭
  出し候て刈り取り候所たりとも苗木を刈り取り候様成る儀
  致すべからず、御林のすき所へは苗木を植え立て候
  様いたすべく候、百姓持林並びに屋敷四壁の木にても
  目立ち候木切り取り候は、先ず書付差出しこれを切るべし
-
   p15









































入会


焼畑



諸作


j〇停止



 
  堤にこれ有り候下草など刈り取り間じき事
   付けたり 堤に植え物致す間じき事
一 入会の野山面々持ち山にても草木の根を
  掘り取るまじく候、つるのはしを入れ候儀停止たるべし、田
  畑へ山崩れ砂入るなどこれ無き様山林へ苗木を植え
  立て申すべき事
   付けたり 山中にて焼き畑いたし来たり候所は格別
   野火付け候様成る儀停止の事
一 諸作第一によく種を選び候て蒔付け耕作
  念入るべし、荒作の様にいたし候者あらば屹度
  詮議せしむべく、独り身の者耕作の時分相煩い候
  は名主組頭立会い村中にて助け合い田畑荒らさず
  様仕るべく事
   付けたり 地所不相応に田畑諸作他に劣り耕 
 
   p16









































大損亡

引方

家職



百姓講

違背

風俗

長脇差




 

   作無精なる者あらば吟味仕るべく、大損亡
   の節も引方立て取らせ間じき事
一 常々耕作並びに商売なども致さず家職の
  稼ぎもこれ無き者、村中にこれ有らば吟味を遂げその趣
  訴えべく事
一 博奕すべて賭けの諸勝負あるいは百姓講と
  名付け商いにことよせ博奕に似たる儀何にても
  仕るべからず、もし違背の輩これ有るか又は右の宿など
  いたす者あらば早速これ訴えべく事
一 百姓に似合わず風俗をいたし長脇差を帯(たい)
  し喧嘩口論をこのみ或は大酒をのみ酔い
  狂いたし行蹟悪しきものこれ有らばこれ訴えべく事
一 他所へ参り二夜(ふたよ)泊まり罷り在り候程の儀は名主
  組頭へ断り罷り出ずべし、他国へ奉公に出候か又は

 
   p-17









































公事訴訟

皆済

納米

金納

員数

御城米

青米

死米

砕米

籾糠

蔵組
  
  用事候て相越し候はば、その子細名主組頭五
  人組へ書付を以て相断り公事訴訟に
  公儀へ出で候ともその趣、名主組頭五人組へ
  相い届くべき事
一 御年貢皆済これ無き以前穀物他所へ出す
  べからず、金納のため米売り候はば、まず米納の員
  数を積り納米程上米拵え置き次の余米を
  売り申すべき事
   付けたり 御用の置き米急用の事候えば名主
   一人にて封を切り取り申す間じく候、藏組庄
   屋立会い申すべく事
一 御城米名主組頭立会い青米、死に米、砕け米
  籾糠などこれ無き様随分吟味いたし升目
  切らず様俵ごしらえの儀二重にして小口かかり
 
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桝取

手代

船廻

貫目

ふけ米

まぎらかす

上乗

悪所


   

  すり縄にて仕り名主組頭、米主桝取り且つ
  又手代印形の中札入れ申すべく候、外札は木
  にても竹にても国郡村米主の名ばかり記すべく
  候、尤も船廻に仕り候節貫目など念を入れ船頭の上
  乗せ手形申付け相廻すべく事
  御城米積み出し候節、名主組頭立会い俵数
  相改め舟積致すべく出船中に米指し取り申さず様に
  上乗り船頭共へ堅く申しつけ舟懸かりの場にて
  別して油断致すべからず、且つ又、御藏において悪米、ふけ
  米などまぎらかし候様なる事仕るまじく候
  上乗の儀村中吟味を遂げこれ置くべし、御藏所
  の入用並びに船中雑用など多く入らず様申付け
  委細帳面に記させ入用これを渡すべく事
  御藏米納に罷り越候もの共、逗留の内悪所総じて

  
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音物

手入れがましく

出入

年貢皆済

庭帳

押切印形

不念

人足

扶持

賃銭

当座
 
  
   遊山ケ間敷所へ一切罷り越さざるべく事
   付けたり 納めに罷り越候手代等へ音物又は手入れが
   ましき事仕らずべき事
一  御年貢金銀名主方へ取集め候控え帳にこれを納め
   の度々、納主の名を書きつけ印判致させべし
   名主方へ金銀請取手形通帳にいたし
   これを渡し控え帳押切印形いたし遣わし置き後日に
   出入りこれ無き様仕るべき事
一  御年貢皆済納払い勘定致し名主方へ
   手代の判形帳取り置くべき事
一  御年貢納所の節、名主より米主へ銘々
   手形遣わし庭帳に入念に書きつけ致すべく判形不念
   にて印形これ無く後日に訴え候とも取り上げ間じき事
一  そうじて公儀より下され候人足、扶持賃銭等当座に
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趣意

次(継)合勘定
※次は当て字

御年貢勘定

披見

免割

浮役

小物成

臨時もの

小百姓

免状

夫銭

小入用

日限

〇指別を立て
※差別ではないか
  銘々割り渡し帳面に受取候趣書きつけさせ印
  判取り置くべく総て次(継)合勘定致すべからざる事
一 毎年御年貢免状出し候は、村中の者披
  見仕らせ名主組頭方より村中大小の百姓出
  作の者まで残らず相触れ寄合致し候て免割り
  いたし小物成浮き役臨時もの米金一人前
  宛て委細書きつけ小百姓へも疑わしき存じざる様にその
  訳申し聞かせ右書付写させその上免状の奥に
  別紙継候て立会い披見仕り候旨書付銘々印
  取置くべく御年貢割り仕り候節村中夫銭
  小入用等御年貢入れ受け一同に致すべからず候、指(差)別を
  立て割合算違これ無き様に随分念入れ御年貢
  の儀申し渡す日限の通り相納候様にと常々村中
  申し合わすべき事 
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手代

飯米

木銭

費(ついえ)

承引

飯米

村入用割



夫銭

懸り物

諸入用

 一 自分家来並びに手代の召使当村へ参り口上にて
  申す儀は申すに及ばず自分並びに手代の印判もこれ無き
  書付持参にて何事を申し付け候とも一切承引
  仕るべからず早速注進すべき事
一 手代村々へ相廻り候節、何事にても飯米木
  銭出し上下共少しも百姓の馳走にならず、村の
  費これ無き様申付け候条、酒肴などこの方より指図
  これ無き品、何にても調え置く間じき候、若し調え置きこの方
  へ不用に付き寄合飲食村入用割り懸け候はば
  名主、組頭屹度曲事たるべし事、並びに指図なく人
  馬集め置き百姓の隙(すき-ひま)を費やす間じき事
一 村中年中の夫銭懸り物小入用の儀、名
  主組頭随分吟味を遂げ入用これ無き様に念
  入れるべし、尤も帳面拵え置き総て村中諸入用その当
  
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当座

割合

不埒

御料所→御料

本帳

留置

一町

厄介人

在所

御取箇

夫食

強訴

徒党

逃散 
 
 
  座に付け置き庄屋組頭方より不埒の懸物割
  合候は曲事足るべき事
一 毎年翌正月中前年の村入用帳写し
  候て本帳相添え差し出すべく候、逐一読み写し帳留め置き
  本帳は庄屋方へ相返すべく候間年々紛
  失これ無き様に大切にいたし置くべき事
一 高十石地面一町右定めより少なく分け候儀停止たり
  尤も分け方に限らず残高もこの定めより少なく残るべからず然る上は
  地面二町より少なき田地持ちは子孫を初め、諸親類
  の内へも田地配分まかりならず候間厄介人これ有る
  者は在所にて耕作の働きにて渡世いたさせ或は
  相応の奉公に差し出すべき事
一 御料所国々百姓共お取箇並びに夫食種貸しなど
  その外願筋の儀に付き強訴、徒党、逃散候儀は
 
  
  堅く停止に候處、近年御料所の内にも右体
  の願い筋に付き御代官陣屋へ大勢相集まり
  訴訟いたし候義もこれ有り不届き至極に候自
  今以後厳しく吟味の上重き罪科行わせらるべく
  候条、御代官支配限り百姓共へ兼がね屹度
  申付け置き候様仰せ渡され候事

 右の条々堅く相守るべしこの旨違背
 の輩あらば曲事たるべく、この帳、毎年正
 月、五月、九月、十一月、一ケ年に四度宛て村中大
 小の百姓寄り合い、確かに読み聞かせ常々この趣を
 合点を以て罷り在り候様、申し附くべきもの也   p23














































御領所

右体

御代官陣屋

候条

違背

曲事

罷在









 読み下し文責 大橋寿一郎