ユキバタツバキ
暮らしとの関わり
 今日(2016.4.2)に、今春初めて畔屋の山にでかけた。今日の山行きの目的は、ユキバタツバキの花の撮影であった。
 ふるさと石黒はユキツバキのみが自生し、子どもの頃から家の周りにも普通に見られ親しい植物であった。筆者の生家の西側の堀切沢の斜面や北側のブナ林の林床にはユキツバキが一面に群生していた
 だが、それらのツバキの幹の太さや高さは筆者が70年前に見た時と今も同様の姿である。幹は太いもので径3pほど、高さも1.5mほどで、いずれの木も、斜上した姿である。
 しかるに、柏崎市街地に住むようになって海岸に自生するツバキを見て驚いた。とくに、上輪の胞姫神社の周囲で見た径30pほどで直立して堂々としたヤブツバキの姿には目を見張った。
 その後、植物に少し興味を持ったころ、ユキツバキとヤブツバキの見分け方、とくに雄しべの形状の違いを知った。ところが、市街地周辺の山地で、時々、その中間種と思われるものに出会うようになった。そして、その頃(1990年前後)に「ユキバタツバキ」という名称を初めて知った。
 今日(2016.4.2)は、運よく開花の最盛期であり幸運であった。78歳の誕生日、午前には神奈川の孫たちから花が届き、午後からはユキバタツバキの花々に出会い何よりの祝福を受けたような気がする。
 2017.2.16の今日は、最高気温が12度という温かさに誘われて西山町大崎神社近くのユキバタツバキの撮影に出かけた。雪割草園の脇の道沿いの斜面に群生しているがすでに開いた花もいくつか見られた。花はヤブツバキに近い花の形態であった。
 素人の私見であるが、ユキツバキとヤブツバキの中間種であるユキバタツバキは形態の変異には幅があると考えられる。大崎で見られるユキバタツバキの花はヤブツバキに近く、畔屋などで見られるものはユキツバキに近いように思われる。ご指導を乞いたい。
 
写真2016.4.2 畔屋


          正面からの様子

写真2016.4.2 畔屋

            横からの様子
写真2016.4.2 畔屋

             包とガク
写真2016.4.2 畔屋

         ユキバタツバキの群生

写真2017.2.16西山町大崎


解 説
ツバキ科
 我が国には、ヤブツバキとユキツバキの2種類のツバキが自生している。
 ヤブツバキが本州、四国、九州、南西諸島に分布する。
 ユキツバキは本州の日本海側の秋田県から福井県・滋賀県にかけての多雪地の山地に分布する。
 両種の間には樹形や花や葉の形態に違いがあるが、分布の境目では、中間的な形態をもったツバキが見られ、ユキバタツバキと名付けられた。
 ユキバタツバキでは花弁の枚数や形状、色彩などの変異が大きい。
 日本海側の多雪地では海岸近くにヤブツバキ、山地にユキツバキが生育していることが多く、富山県や新潟県の有名なユキバタツバキの自生地であり、本種は。両種が接する低山に位置している。
 ふるさと石黒に自生している者はすべてユキツバキである。




     つぼみ-2
写真2016.4.2 畔屋

      つぼみ-3
写真2016.4.2 畔屋
       つぼみ-4

写真2017.2.16大崎

        開花

写真2017.2.16大崎

    雄しべの様子
写真2016.4.2 畔屋

 比較資料−ヤブツバキの花
写真2005.4.14鯨波


 比較資料-ユキツバキの花
写真2009.4.24下石黒