ヤブツバキ
暮らしとの関わり
 石黒には自生しているツバキはすべてユキツバキである。
 筆者が子どものころから見てきたユキツバキの幹は太くても大人の手の親指ほどであった。
 柏崎の海岸近くで初めてヤブツバキを見たときにはその堂々たる太い幹に驚いたことを憶えている。
 また、ユキツバキがヤブツバキの変種であるとされるが、その分布の境界は、積雪が150cm以上で積雪期が90日以上の地域であるとされるので柏崎市街地周辺の山側は、まさに境界帯といえよう。事実、畔屋、矢田、平井あたりの山で、中間種と思われるものに何度も出会ったことがある。
 この中間種を「ユキバタツバキ」と呼ぶのだそうだが、ユキバタは「雪端」であろうか。しかし、ユキバタツバキの明確な定義づけは簡単ではないだろう。連続する各種の変化の中にキーポイントをどこに定めるかは難しい。とはいえ、命名したからには定義がなくてはならぬようにも思われる。定義があるのなら是非知りたいものだ。
 また、来春は市街地周辺の中間種を観察してみたいと思う。その前にヤブツバキとユキツバキの区別を明確にして置きたいと思い比較表を作ってみた。→比較図表
 余談であるが筆者など石黒に生まれ育った人間は子供のころからツバキといえばユキツバキのことであった。「ユキツバキ」という名前も知らなかった。
 昭和62年に小林幸子の「雪椿」がヒットしたころに、筆者は7歳年上の姉から「雪椿」の苗を求めてほしいと頼まれた。即座に、それは自分たちの生家の周りに沢山あった椿であることを知らせると、ひどくがっかりしていた。「花は越後の 花は越後の 雪椿」という美声から、よほど豪華な花を連想していたのであろう。

写真2010.3.11 鯨波
    

               花期

写真2005.4.14 鯨波

       花弁の合着する雄しべ

写真2010.3.11 鯨波

           樹形

写真2012.10.8 笠島

写真2016.3.27上輪 左に米山大橋

             種子散布の頃

写真2015.9.30松波町

             ヤブツバキ群生

写真2014.2.1鯨波
解 説
ツバキ科
 北海道を除く日本全国に分布する常緑高木
 本州の最北部から東北・北陸地方の海岸には薄く分布するが日本海側の多雪地帯にはユキツバキが分布する。
 夏期の成木では花の一部を除いて全株が無毛であるが、若芽、幼葉には多少毛がみられるが早く脱落する。葉の下面の毛の一部は脱落後に黒褐色の小さなイボをつくる。
 葉は楕円形または長めの卵形で先は短く急にとがり、まばらに鋸歯がある。
 花は暖帯では晩秋から包およびガク片が瓦状に密に並びガク包となる。
 花弁は5〜6個、花弁とガクの間にも中間の形のものがある。
雄しべは筒状で花弁の基部と合着し、花後は一緒になって落下する。また、花冠はユキツバキのように広く開かず盃状にとなる。しかし、花弁の上半分が外に反り返るものもある。
 花柱は3つに分かれ、果実は球形で無毛、光沢がある。



    つぼみから開花へ

写真2015.2.5畔屋

      筒状の蕊
写真2010.3.11 鯨波

※比較画像-1
    ユキツバキの蕊
写真下石黒

※比較画像-2
   ユキバタツバキの蕊
写真2016.4.2畔屋

    たわわについた果実
写真2014.8.27番神

 裂果して種子を散布
写真2015.9.30松波町