ニワウルシ(石黒では見かけない)

暮らしとの関わり
 石黒では未だ見かけない。しかし、この木に似た、ハサ木(稲を乾燥するための仕掛け)にするために昭和20年代に植えられたチャンチンはよく見かけるので、今後、留意して観察していきたい。
 市街地、とくに下藤井の河川敷近くには多く見られる。
 花は地味であるが、果実が黄色から赤褐色に変化する頃にはよく目立つ。
 牧野植物図鑑にはシンジュという名前で掲載され、ニワウルシは括弧書きになっている。
 シンジュは「神樹」でドイツ名を直訳したもので我が国で最初につけた名前であるという。ちなみにイギリス名は「天の木」であるという。
 下藤井の道路端にかなりの大木があったが(上写真)、昨日(2014.9.26)訪れると、伐採されていた。手の届く所に枝があり、観察には便利であった。いまだ、花の観察と撮影をしないうちに切られてしまって残念だ。幸い、ここから少し川下の土手に数本あったと記憶する。是非、来春には撮影をしたいものだ。
 今日(2015.2.5)は、立春の昨日に続く晴天で市街地周辺の山に弁当持参で樹木の冬芽と葉痕の撮影に出かけた。
 最初に中田の鯖石川沿いのニワウルシの葉痕を観察したが数年前のものと思われるものも見受けられとても興味をもって観察できた。→葉痕の樹木成長による変化

写真2010.7.23下藤井  右上2010.10.26下藤井


               幼木

写真2008.8.15下藤井

              葉の茂り方
写真2010.7.23下藤井

     小葉の基部鋸歯の腺点

写真2011.7.31下藤井

             美しく色づく果実

写真2014.7.28下藤井

写真2008.8.15下藤井




解 説
ニガキ科
 1877年に中国より渡来した帰化植物雌雄異株
 高さ15〜20m。
 葉は互生奇数羽状複葉で6〜12対(13〜25枚)で長さ40〜60p。短い葉柄がある。
 小葉は長卵形で基部のゆがんだクサビ形、先端は次第に狭まり鋭く尖る(下写真)。基部の近くには二つの浅く大きな鋸歯がありその先端に大きな腺点がある(左写真)。長さ8〜10p。
 花期は6〜7月。花は淡黄色で径やく1p、花弁は5個、ガクも5個。雄花には雄しべが10個、雌花と両性花には5心皮子房があり柱頭は5裂する。
 果実はをもち皮針形で中央に1個の種子をもつ。
名前の由来は葉がウルシに似ることによる。



       葉の形

写真2011.10.31下藤井

     果実の成熟
写真2010.8.15下藤井※昭和20年代に遊んだカンシャク玉に似ている
写真2010.8.11下藤井


       冬芽と葉痕
写真2015.1.26藤井

       幹の切り口
写真2014.9.26下藤井