ナワシログミ
暮らしとの関わり
 石黒では「タウエグイミ」と呼んだ。(これに対してアキグミは「イネカリグイミ」と呼んだ)
 現在、家の周りに植えられているのは、ビックリグミ系のもので冬季は落葉する。
 しかし、上の写真は寄合集落で4月24日に撮ったものであり、明らかに常緑のナワシログミである。残雪のある4月に3分の1ほどの葉数をつけていた。右上の写真は5月8日に撮ったものであるが、すでに蕾が見られる。
 石黒のような寒冷地では、秋にできた蕾は硬いままで冬を越すものと思われる。
 城山ふもとに筆者の田場所があったが、そこに田植え後に実をつけるグミがあった。
筆者が5、6歳のころ〔昭和18年頃〕であろうか、母が、よく熟したグミの実を大きなフキの葉に包んで持ち帰ってくれたことがあったことを憶えている。その時の果実の大きさから考えるに、ナツグミであったであろう。
 
〔写真上2006.4.24 右上2006.5.9 寄合〕


           初冬のナワシログミ

撮影日2008.12.3寄合〔上の写真と同じ木〕

       春のナワシログミ

撮影日2006.6.2寄合〔上の写真と同じ木〕


解 説
グミ科
 本州、四国、九州に分布する常緑低木。
 高さ2〜3m。樹皮は灰褐色。よく枝分かれするし所々に棘がある。葉は互生し、長さ5〜8p、幅2〜3p。
 花期は10〜11月。翌年の4〜5月に長楕円形の果実を細い柄でたれ下げる。
 名前の由来は苗代の頃に果実が熟すことによる。
 語源はグイミ〔古語〕。


         花

撮影日2009.5.3寄合〔左の写真と同じ木〕

 ナワシログミの熟した実
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