ナツヅタ | |
暮らしとの関わり ナツヅタは石黒では普通に見られる植物である。 昔は杉の木などに絡まり生育を妨げたために見つけると切除した。現在では放置された杉林の大木の頂上まではい上ったナツヅタが見受けられる。 秋の紅葉が美しいといわれているが石黒ではツタの美しい紅葉にはなかなか出会うことはできない。夏の終わりの頃から葉が落ち始め、紅葉の時期に葉の少ないものが多く、残っている葉も黄葉で終わるものが多い。→参考写真 しかし、まれに美しい紅葉に出会うこともある。〔下写真〕 大抵は、紅葉したナツヅタと思って近寄ってみるとツタウルシのことが多い。 秋にヤマブドウに似た果実が熟すと太平洋戦争の頃の子供たちはこれがミヤマツであったらと眺めたものである。 また、茅葺き屋の軒下で実生から伸びたナツヅタが壁板をはい上がっているのを見つけるとすぐに取り除いた。親たちに、放置しておくと壁板の劣化が急速に進むことを聞かされていたからだ。 実際、子どもの頃に生家の外壁板のナツズタの吸盤跡が腐敗して孔があいていることを確認した記憶がある。調べてみると、吸着根 からは根酸が出るため、くっついている壁などの表面を溶かす作用があるとのことだ。 2008.11.12に板畑嶽で美しく紅葉したナツヅタに出会った。下写真 先日(2014.5.28)バスで新潟市まで高速道を通った時に防風壁を覆ったナツヅタの青葉が目に沁みるように心地よかった。こんなところにもナツヅタは役立っているようだ。 (上写真2005.7.3大野 右上2005.8.4下石黒 右下写真2005.9.29下石黒 ) 夏の様子 写真2010.6.16大野元屋敷 高速道の防風壁のナツヅタ 写真2014.5.28 西山地内 コンクリート壁を這うナツヅタの紅葉 写真2015.10.6下藤井高速道ガード 樹木に高くはいあがったナツヅタ 写真2008.10.26板畑 紅葉した葉 写真2007.10.21大野 |
解 説 ブドウ科 全国各地の山林などに生える落葉ツル性植物。秋は美しく紅葉する。 茎は大きいものでは直径4pに達する。枝分かれして巻きひげの先端にある吸盤〔上写真〕で他のものに吸着し繁茂していく。(巻きひげは対生で2節出て次は出ない) 葉は柄が長く(下写真)互生し手のひら形で3裂する。(枝により卵形もしくは2裂のものもある)葉の径は5〜15p。縁には鋸歯がある(左下写真)。 花期は6〜7月。黄緑色の小さな両性花が集まってつく〔上写真〕。 果実は小さい球形(径6ミリほど)で熟すると黒紫色となり白い粉をふく。 名前の由来は「伝う」を語源とし常緑ヅタに対し夏ヅタと呼んだもの。 若葉 写真2014.5.8下石黒 写真2009.5.17下石黒 長い葉柄 写真2013.7.21下石黒 紅葉 写真2007.10.21大野 葉柄を残して散る葉 写真2012.11.4下石黒
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