サンカクヅル〔ギョウジャノミズ〕
暮らしとの関わり
 石黒では「ミヤマツ」と呼んだ。エビヅルのことは「エブ」と呼んだがサンカクヅルはエビヅルに比べ甘みがあり格が上であった。
 10月になると子どもたちは、場所を記憶していて必ず出かけた。しかし、エビヅルに比べてサンカクヅルは希にしかなく場所を知らない者にはなかなか採れなかった。また、知っていても他の人にすでに採られてしまっていて悔しい思いをすることも度々あった。
 ちなみに、当時普通に見られたエビズルは、今では(2005)はまれにしか見られない植物となった。

写真2005.10.10板畑


       6月のサンカクヅル

撮影2007.6.23板畑

             未熟の果実

            熟した果実

写真2005.10.10板畑

       葉の茂る様子(果実期)

  写真2007.7.8板畑

解 説
ブドウ科
 北海道から九州までの山地に自生するツル性落葉植物。別名ギョウジャノミズ。雄雌異株で他の木にからみつく。
 葉は互生し葉柄があり形はハート形、縁に10対程度の鋸歯がある。長さ4〜9p。
〔左下写真〕葉裏の脈上に毛がある〔牧野図鑑では毛はないと記されているが・・〕(下写真)
 5〜6月に葉に対生して花穂を出し黄色い花を開く。
 果実は葡萄状につき果径7〜8o。黒紫に熟すと甘みがあり美味しい。
 名前の由来は修行者がこの蔓を切ってしたたる樹液で喉を潤したという言い伝えによる。サンカクヅルは葉の形から。




       葉の表裏
写真2006.8.10板畑

     脈状の毛

写真2005.10.10板畑

      果実と種子
写真2005.10.10板畑

     葉裏の虫えい

写真2007.7.8板畑