カラマツ | |
暮らしとの関わり 石黒ではカラマツは極めて少ない樹木である。 板畑集落の嶽に古木の小規模な群生が見られるのみでカラマツ林と呼べるものはない。〔下写真〕 昔は、建築用材、とくに板材としては適さないばかりか、カラマツの「カラ→空」の名前からも縁起をかつぎ忌避されたという。→昔の木の利用 また、針葉樹では珍しい落葉性であるため秋に白菜などの葉の間に落葉が入り込むため嫌われた。 筆者の生家の周りの杉林のなかに一本だけカラマツがあったが、落葉の頃になると松葉が、漬け菜用の白菜畑に飛んで来るので伐採したことを憶えている。昔は、結球した白菜は越冬用にして、よく結球しないものを漬け菜に利用した。漬けこむ前に川でよく洗ったが、たまに葉の基部に入り込んだ松葉が残った。冬には漬け菜は毎日のように食べたが、時には漬け菜の間に入り込んだ松葉を食べることもあった。子ども心に、そのまずさは今でも忘れないほどであった。 (写真上・右上中2005.4.28上石黒 右下2005.5.4板畑) 芽吹きの頃撮影日2005.4.28上石黒 背景 黒姫山 幼木 写真2007.5.24板畑 嶽 カラマツの紅葉 撮影2005.12.2板畑 板畑の嶽のカラマツ林 写真2005.12.2板畑 嶽 冬の様子 写真2005.12.2板畑 |
解 説 マツ科 本州中部山地の日当たりの良い高地に生える落葉高木。 高さ30mにも達する。日本特産種。 葉は線形で先は鋭くとがり長さ2〜4p。枝には長枝(10-50p)と短枝(1-2mm)があり、長枝では互生し短枝では菊花状(上写真)につく。 花期は5月。雄花雌花共に短枝に頂生するが雄花は葉をもたず、雌花は基部に葉をもつ。 果実は10月頃に黄褐色に熟す(上写真)。種子は三角形で長い翼がある。雌雄同株で雄花雌花ともに短枝につく。 用材としては、水中での耐久力に優れ杭木、枕木などに利用される。板材としては割れ狂いが生じやすい。 名前の由来は、短枝の葉の形が絵に描かれる唐松風であることによるという。(上中央写真) 幼苗(自然発芽) 撮影2005.6.5大野 カラマツの幹撮影2005.7.15大野 長枝の葉のつきかた 撮影2005.6.5大野 短枝の葉のつき方 写真2009.5.25居谷 多数集まり球状となった雄しべ 写真2009.5.25居谷 短枝につく雌花 写真2009.5.25居谷 雌花〜果実へ 撮影2005.12.2板畑 撮影2011.11.12寄合
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