イタヤカエデ
暮らしとの関わり
 石黒では、イタヤカエデは、その変種であるアカイタヤとともに普通に見られる。高さ20mに近い大木にもしばしば出会う。
 花期には葉と同時に黄色い花をつける。目を近づけて見ると清楚な美しさが感じられる。
 石黒では昔からイタヤ材はハコモッコの滑り板に使ったり、炉縁、斧・ツルハシ等の柄などに利用した。ダイモチぞりの材にも主にイタヤが使われた。
 晩秋、イタヤカエデの黄葉が、山道に一面に散っているのを目にすると、間もなく厳しい冬将軍がやって来ることを予感させた。
 
また、春風に散ったイタヤカイデの花序が残雪の上に一面に見られる時期は、待たれた春の到来がうれしい頃である。

〔写真2009.4.30 小岩峠〕


               実生と種子

写真2006.5.25下石黒 


              芽吹きの頃

写真2009.4.27下石黒 記録的な小雪 背景石黒城山

         イタヤカイデの幹

〔写真2009.4.30 小岩峠〕

         夏のイタヤカエデ

〔写真2006.6.20 板畑嶽〕

        イタヤカエデの黄葉

〔写真2005.12.1板畑〕

解 説
カエデ科
 北海道〜九州に分布。山地に生える落葉高木で高さ20mにも達する。
 葉は対生し柄があり、掌状に裂け、無毛(裏面の葉脈の基部には毛がある)、秋には黄葉する。
 葉の長さ、幅とも5〜10pで葉の形は色々で変化が見られる。
 花は淡黄色で葉と共に出て目立つ。雌雄同株で雄花、雌花が雑居する。(上写真)
 果実は毛がなくは直角または2個が鋭角に開いてつき、長さ1.5p、幅7oほどでプロペラ状につき熟すと分離して回転しながら風に乗って散布される。(分離せずプロペラ状の対では回転しない)
 材は固くスポーツ用具などに使われる。
 名前の由来は、葉がよく茂り、板屋で葺いた屋根のように、木の下が雨が落ちない意味。
   


      芽吹きの頃

写真2011.5.8落合

        大木

写真2011.6.13上石黒

       雄花

写真2009.4.30小岩峠

        雌花
写真2009.4.30小岩峠

  残雪の上に落ちた花序

写真2011.5.8落合

   イタヤカエデの用材

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