ホオノキ | |
暮らしとの関わり 石黒ではブナ林など広葉樹林に多く見受けられる。ホウノキ山などという地名もある。 昔は下駄材として使われたので雑木の中では利用価値のある木の一つであった。衣食住の衣 また、日の長い田植えの頃の午後のおやつのご飯を包むためにこの葉が使われた。四季の農作業 その他、若木が真っ直ぐに伸びるので冬の洗濯物干し場の股木にも使われたという。→資料ホウノキの俣ん木 子どもたちは葉で風車や飛行機(落ち葉)を作ったり春の芽の上皮で笛を作ったりして遊んだ。 一昨日(2009.5.28)、タキノウジからホウノキヤマ〔石黒の地名〕のオセシミズ地内の杉林まで上った。杉林に隣接したうす暗い林内で倒れかけたホウノキの下枝に一輪の花が咲いていた。自分の目線の高さだ。暗い周囲の中に浮き上がるように白い花が見える。 花は大輪で美しく香りはよいが蜜腺はないとのことだから訪花する昆虫には魅力に乏しい花であるかも知れない。 5mほど離れたところから望遠レンズを使って撮った。→写真1 花の写真を撮ってしばらく行って一休みして、頭上を見上げると真上から陽光を浴びた若木の葉が目にしみるようであった。 →写真2 用材としては、鍬の柄によく使われた。柔らかく加工しやすく且つ強度も普通程度あったからだ。 また、吸水性があり使用前に水につけると短時間に固定し、握り手の吸汗もよかった。 また、筆者が高校生の頃(昭和30年頃)は男子学生の登下校時の履物と言えばアシダと呼ばれる高下駄であった。歯は高さ10pほどであるが、その歯の材がホウノキであった。質の柔らかな木であるから歯の減りも早かったが、下駄屋が校門前に定期的に来て歯の入れ替え商売をしていた。 (写真上2005.5.26下石黒 右上2005.5.28落合 右中2005.6.9居谷 右下2009.5.28下石黒) 。 芽吹き 1 写真2005.5.6 板畑 芽吹き 2 写真2006.5.12 大野 ホウノキの若葉 写真2008.5.27下石黒 托葉をつけた若葉 写真2015.4.26下藤井 花期のホウノキ 2009.5.28上石黒 ※開花すると一帯に芳香が漂う 果実期 写真2015.7.15田塚 風で白い葉裏を見せるホウノキ 写真2007.6.14下石黒 秋にふくらむ新芽 2010.10.17大野 落葉の頃にすでに大きく膨らんだ冬芽 写真2015.11.3上藤井 ホウノキの落ち葉 写真2006.12.2下石黒 冬に花序からつくりを調べる 写真2014.2.3茨目 冬芽と葉痕 写真2015.1.21田塚 |
解 説 モクレン科 全国各地の山地に生える高さ30メートルにも達する落葉高木。他の広葉樹と混生している。 葉は互生で矢車状で一枚の葉の長さは35〜40pで裏面は白味を帯びる。(左下写真) 開き初めの葉は肌色の托葉を付ける(左下写真)。(補助画像参照) 花は5月頃、枝の先につき径15pほどの大輪の花をつける。花は香り高いが蜜腺がないため受粉の効率は低い。雌しべ先熟で雌しべの熟したときに花は少し開き、いったん閉じた後に雄しべが熟すと半開する。全開のときにはすでに雄しべは散っている。。 果実は長さ15pほどの多数集まった集合果で、秋に裂けて赤い種皮に包まれた種子を白い糸で下げる。(下写真) 名前の由来は、この葉で食べ物などを包むこと「包葉」から来たものであろう。 冬芽を分解してみる 2011.4.20上石黒 芽がほころぶ 2011.4.13上石黒 葉が開く 2009.5.21上石黒 小雪 つぼみから果実、種子 2009.5.21上石黒 2009.5.28下石黒 写真2011.530落合 2009.5.28上石黒 2009.5.28下石黒 2009.6.2下石黒 2009.5.28下石黒 2005.6.19落合 2005.10.14下石黒 写真上4枚2007.10.4下石黒 葉痕 写真2015.1.21田塚 芽の断面 写真2011.4.18下石黒
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