アズキナシ | |
暮らしとの関わり 石黒では「ヤマナシ」と呼んだ。それほど多く見られる木ではないが、城山などに登るとよく見かける。中には一抱えもある大木もある〔上写真〕。大野集落入り口にもかなりの大木がある。 花は小さいがよく見るとバラ科の花だけに白梅のように美しい。 終戦前後(1945前後)の子ども時代、赤い果実をとって食べた記憶があるが、よく似ているカマツカの実であったと思う。 しかし、果実は熟すと紅色から柿色に近い絶妙な中間色になる。こういう味わいのある色の果実は外にはアケビなど何種かあるように思う。 (写真上・右上2005.12.4下石黒 右下2005.5.9下石黒) 若葉の頃 写真2017.5.5大野集落入口 花期のアズキナシ実 写真2011.5.18大野集落入口 果実の色づいた頃のアズキナシ 写真2009.10.14大野集落入口 写真2005.8.29下石黒 アズキに似た果実 写真2009.10.14大野集落入口 落葉後のアズキナシの果実 写真2009.11.29大野集落入口 写真2011.11.23落合 そで山(背景黒姫山) たわわに実った果実 写真2011.12.10 板畑 嶽 |
解 説 バラ科 本州、四国、九州の山地に生える落葉高木。高さ10〜15mとなる。 幹や枝は紫黒色で白色の皮目が斑点状についている。〔下写真〕 葉は、柄があり卵形で互生卵形で長さ7〜10p。 先は尖り縁には重鋸歯〔大きな鋸歯の上に更に細かな鋸歯がある−下写真〕がある。側脈は整っている(下写真)。 葉の質はかたく深緑色で無毛であるが裏面には初め、うすく毛があり後に無毛となる。 葉柄は1.5pくらいで托葉は早く落ちる。 花は5〜6月に咲き、白い花〔上写真〕を新枝の先端及び葉のつけ根からまばらに花のついた散房花序を出す。包葉は早落性、花の径は1〜1.5p。ガク筒は狭い楕円形、ガク片三角形で内面に綿毛がある。花弁は広楕円形または円形で基部に綿毛がある。雄しべは20個ほど花柱は2個(下写真)。 果実は、やや楕円形で直径8〜10ミリ。色は、紅色で後に柿色(上写真)。白い皮目が散在する〔下写真〕。 名前の「アズキ」は小さいという意味。果実も小豆に似ている(左下写真)。 若木の樹皮 写真2011.12.10 板畑 嶽 老木の幹の裂け目 写真2005.12.4下石黒 つぼみ・雌しべ・花柱 写真2005.5.9下石黒 葉脈のの整った葉 写真2004.12.4下石黒−城山 果実の拡大写真 写真2005.10.28下石黒 自然落下したもの 写真2011.12.2大野 |