カマツカ

暮らしとの関わり
 石黒では、希に見られる樹木のひとつである。
 筆者は今日(2011.10.11)初めて出会った。赤い果実が目立つがアズキナシの実に形がにているので見過ごしていたのかもしれない。アズキナシと同じくバラ科であり、今にして観察すると花も実もよく似ている。
 先日、市街地付近の矢田集落で高さ3mほどの木に出会った。小枝を手折ってみると、非常に堅く且つ粘りのある材質であることが手応えで分かった。
 来春は花を観察し撮影したい。
 牧野植物図鑑にはウシゴロシ(ワタゲカマツカ)と記名されている。
 WEV上の資料によると果実は食べられるとのことであるが、子ども時代に食べた記憶はない。だが、先日、熟した果実を試食してみるに、こもどもの頃に食べた味わいであることに気が付いた。思うに、アズキナシの果実と思い込んでいたのはカマツカの果実であったように思われてならない。(いま、アズキナシの果実を食べてみると渋みばかりで美味しくない、いかに太平洋戦争の敗戦前後の食糧難時代の我々子どもとてこのような不味い実を食べたとは思われない)

写真2011.10.11 下石黒  右上 2011.10.12 矢田


             青い実

写真2011.10.11 下石黒 地名タキノフチ

            互生する葉

写真2011.10.12 矢田

          たわわについた果実

写真2011.12.6 畔屋

        葉の上半分の細かな鋸歯

写真2011.10.11 下石黒

             果柄の皮目

写真2011.10.11 下石黒

解 説
バラ科
 本州、四国、九州に分布。落葉低木あるいは小高木。高さはやく5mほど。
 樹皮は暗灰色で縦にシワがより斑紋がある。
 葉は柄があって互生し、長さ4〜10p、幅2〜5pほど。上半分の縁には細かで鋭い鋸歯がある(左下写真)。表面は初め毛があるが後に脱落するが裏面には細毛が残る。
 花期は4〜5月。径8oほどの白色の小さい花を枝先に密集してつける。
 花弁は5個で円形で先は多少凹む。雄しべは20個ほどで花弁と同じくらいの長さ。花柱は3個で基部は合着、軟毛が密生する。ガクは短い釣り鐘形で先は5裂する。
 果実は偽果で楕円形で長さ約7〜8o。秋には赤く熟す。果柄には細かく隆起する皮目が見られる(左写真)
 名前の由来は材質が堅く折れにくいことから鎌の柄にしたことによる。別名ウシコロシは牛の鼻輪を通すときにこの木を使ったことによる。



       樹皮

写真2011.10.12 矢田

     堅く粘りのある材質


写真2013.10.18 平井


    よくついた果実
写真2011.10.12 矢田

    果実のつきかた
写真2011.10.12 矢田

        種子

写真2011.10.12 矢田