アオハダ
暮らしとの関わり
 石黒では、まれな樹木の一つであると思われる。上の写真は下寄合の墓場の上のブナ林の斜面で撮った。株立ち状で大きい木は径25pほどあると見た。外の場所で出会った個体も5〜6本が一株状であった。
 アオハダは、リョウブと同様に幹の上皮は薄く爪でこすると緑色の内皮が現れる。
 また、紅い果実が美しい樹木だが、子どもの頃の記憶にないことからも石黒では珍しい木であることは確かである。
 若芽は食用となり、葉は茶の代用とされると言われているが、石黒では、聞いたことはない。太平洋戦争直後の食糧難の時代にカワラケツメイを茶代わりに飲んだ記憶はあるが、アオハダの葉を代用にしたという話は聞いたことはない。
 アオハダは隔年毎に多く結実する性質があるといわれる。〔※ブナは6〜7年毎〕
 今年〔2006〕は結実の少ない年らしく漸く下の果実を見つけ望遠レンズで撮った。
 今年(2007)は、低い枝にも下の写真のように沢山の結実が見られた。やはり隔年結実の木であるようだ。
 来年は花の時期に是非観察をしたい。

〔写真2006.10.21寄合川隧道の上 左上花−借用写真〕


             短枝の先端に束生する葉   


写真2015.8.25畔屋

              果実-黄色から赤色へ

写真2015.8.25畔屋

         果実-1

写真2006.10.21寄合

               果実-2

写真2007.10.14寄合

写真2015.10.27畔屋

                黄葉

写真2011.10.27上石黒

              冬の枝の様子

写真2015.2.5畔屋
解 説
モチノキ科
 日本全土に分布する落葉高木。高さ10mに達する。雌雄異株
 幹は灰白色で外皮が薄く爪ではがすと緑色の内皮が現れる。〔下写真・名前の由来〕
 葉は互生し薄く裏面の脈状には毛が多い(下写真)。長さ4〜7p、幅2.5〜3.5p。
 花は5〜6月に開き、色は緑白色。雄花は球状に多数集まってつき雌花は数個つく、雌花には退化した4〜5個の雄しべがある。〔写真上−雄花〕
 果実は鮮やかな紅色で球形。(左下写真)
 材は加工が容易で狂いが少なく玩具などに利用される。
 また、葉は三重県では弘法茶と呼んで昔から茶の代用とされてきた。また、若芽を食べる地方もあるという。



  アオハダの緑色の内皮

写真2007.10.14寄合

        葉の形と表裏

写真2015.8.25畔屋

    葉裏脈上の軟毛

写真2007.10.14寄合

       果実のつき方

写真2015.8.25畔屋

     果実と種子

写真2007.10.14寄合

      冬芽と葉痕

写真2015.2.5畔屋