アクシバ | |
暮らしとの関わり 石黒では少ない植物である。 昔は子どもにとってカクミノスノキの実とアクシバの果実は石黒では珍重な山の恵みであった。どちらも味はともかく果実の色や形の美しさは秀逸であった。 家の近くにはなく山の尾根などに多いので、生えている場所を憶えておいて、毎年、実のなる時季に訪れて採って食べた。 上の写真は、先日(2005.9.17)嶺坂のブナ林の縁で撮った。植物撮影のため嶺集落入口のブナ林を上りきると前方は切り立った崖となり、突然、視界が開け黒姫山が一望できた。一休みしようとそこに腰を下ろすと、傍らに生えていた数本のアクシバと出会った。 秋晴れの下、黒姫山を眺めながらアクシバの実を口にすると、遠い少年の日に還ったような思いがした。 花は、形がウリノキに似ているように思う。 (写真上・右下2005.9.17上石黒・嶺坂 右上2005.7.28寄合) つぼみの頃 写真2005.6.23落合 小包とガク 写真2005.6.23落合 互生する葉 写真2005.6.23落合 果実の成長 写真2013.8.13上石黒 落葉後 写真2006.10.25下石黒 |
解 説 ツツジ科 北海道から九州の山地に生える落葉低木。 茎は緑色で(左上写真)多くの小枝に分かれやや水平に広がり高さ20〜50p。 小枝には2本の浅い溝があり無毛あるいは細毛をつける〔下写真〕。 葉は互生し(左下写真)柄が非常に短く濃緑で長さ2〜6p、幅1〜3p。先は鋭くとがり縁には細かい鋸歯がある。下面は粉白緑色(下写真)。 花期は6〜7月。花は7〜10oで上写真のように下向きに咲く。花柄の基部には細い小包があり色は淡紅白色でガクが4裂し裂片は短い三角形〔左下写真〕。花冠は深く4裂し裂片は外側に巻く。 雄しべ4本、葯は赤褐色で上部は黄色く長く花冠の外に突きだしてくちばしのようである〔上写真〕。 果実は径7oほどでぶら下がり赤く熟し食べられる。 名前の由来は葉の裏が灰色のシバ(雑木)という説がある。 樹皮 写真2006.10.25下石黒 小枝の溝 写真2005.6.23落合 葉形と白色を帯びた裏 写真2005.6.23落合 青い実 写真2013.8.13上石黒 果実のつき方 写真2006.10.25下石黒
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