キジバト | |
暮らしとの関わり 石黒では「ドテッポ」と呼んだ。 昔からこの鳥が鳴くと「天気が上がる」と言われた。→石黒の俗信 確かに、梅雨の頃など、雨があがると盛んに鳴く。 また、近くで鳴いていても不思議と遠くで鳴いているように聞こえる。この鳥の長閑な鳴き声に、心をほっとさせるものを感じるのは筆者だけであろうか。 農繁期の昼寝時、「ドテッポッポ、ドテッポッポ」というキジバトのけだるいような鳴き声を耳にしたことを思い出す人もいることだろう。 昔から「畑にまいた大豆を鳩に食べられた、鳩は人が種まきをするのを見ている」などと言われたが、その割には憎まれない鳥であった。おそらく、キジバトが植物の果実、種子のみならず害虫駆除の役目も果たしていたことを昔の人は知っていたのであろう。 それにしても別名「山鳩」とも呼ばれ山地にすんでいた鳥が今では市街地で多く見られるのはなぜであろうか。 数年前に、近所の家の庭の3mほどの松の木に巣をつくったが、卵のうちにカラスの被害に遭い子育ての観察ができず残念に思ったことがある。筆者は未だキジバトの子育ての様子を一度も見たことはない。是非一度みてみたいものである。(2015) 昨日(2021.7.21)松美町の自宅の庭の苔の上でつがいと思われる2羽のキジバトが日光浴らしい姿でくつろいでいる様子が見られた。(下写真) 十数年前には砂浴びをしている姿を確認し現場の写真を撮影したことがある。(下写真) (写真上・右下2005.5.20下石黒 下・右上2007.5.27下石黒) 撮影2007.5.27下石黒 素嚢(そのう-右解説参照) 写真2010.9.11畔屋 写真2011.2.26松美町 キジバトが土浴びをした跡(砂浴び中の姿は確認済み) 写真2008.10.15日藤井 キジバトの日光浴か 写真 2021.7.21 松美町 |
解 説 ハト科 全長30センチ余りで、ヒヨドリと共に日本全国どこにでも見られる鳥の一つ。 首にうろこ状の模様あって、尾の先の灰白色が飛んだときに目立つ。〔下写真〕 北日本のものは冬季は南に移動するといわれる。 繁殖期は3月~10月と長く3m~5m程度の高さの樹上に、100本~200本の小枝を組み合わせて、直径30cm程度の雑な皿形の巣をつくる。巣のつくりは大雑把である。一腹の卵数は2個と少ないが年3回繁殖を行うものもあるという。 キジバトには食道の一部が膨れた素嚢〔そのう〕というものが2つあり、繁殖が始まると次第に壁が肥大し、その壁がくずれ、そこから出るミルク状の液体を与えて雛を育てる。その成分は脂肪とタンパク質に冨み、ほ乳類のミルクに似た成分であるといわれる。雛がある程度成長すると半分消化した餌を与える。 餌は、主に果実、種子であるが昆虫類も食べることもあるという。 名前の由来は、翼の模様と色(写真上右下)がキジの雌に似ていることによる。別名ヤマバト。 サンショウの木にて 写真2015.9.20平井 首部にあるウロコ状の模様 写真 2021.7.16 松美町 灰色の尾の先端 左下写真参照 電線にとまって鳴くキジバト 写真2019.4.10松美町自宅前 写真 2020.4.1 新田畑 |