アカショウビン | |
暮らしとの関わり アカショウビンは、昭和20(1940)年代の石黒ではかなり多くの個体が見られた。とくに田植えの頃に、盛んに鳴くので石黒では「タウエドリ」と呼ばれた。 筆者の生家の脇に「ホリキリ沢」(参照→伝説)というV字型に深く掘れた沢があった。周りのブナなどの広葉樹に覆われて昼間でもうす暗かったが、その沢に毎年のようにつがいのアカショウビンがやってきた。その沢にはたくさんのサワガニが生息していたのでそれを餌にしていたものと思われる。 この沢で、筆者は、子どもの頃、巣立ったばかりのアカショウビンを捕らえて飼ったこともあった(現在では、捕獲は法律で禁じられている)。羽色は赤く美しい鳥であったが強い臭気があったため飼うのを諦め放したという記憶がある。 初夏のどんよりとした昼下がりに盛んに「ヒロロロロ」という独特の鳴き声が生家のすぐ下の沢から聞こえたものである。時々、うす暗い沢の上の広葉樹の木から木へ赤い鳥が飛翔する姿も見られた。 しかし、昭和30年代後半に、この沢は、地すべり対策の一環としてコンクリートの側溝となり、サワガニが生息できなくなたためアカショウビンも姿を見せなくなった。 その後、十数年、下石黒では、アカショウビンの鳴き声を耳にすることはなかった。しかし、平成16年(2004)頃から遠くからの鳴き声を耳にするようになった。声の方向から上石黒の石黒川上流あたりからのように想われた。それ以後下石黒でも村はずれの「こさがわ-小沢川」ても聴こえるようになり、現在では(2010)毎年鳴き声を聞くことができる。 そんなわけで、是非アカショウビンのページを作りたいと思ったが写真撮影の機会に恵まれず、下記のサイト制作者の方にお願いして写真をお借りした。ちなみに本頁の写真の撮影場所は長野県。 〔写真 HP 「ネイチャー遊歩」より借用 http://rara.ho-zuki.com/〕 去年〔2012〕より、頻りに下石黒集落内でアカショウビンの鳴き声が聞こえるようになった。聴こえてくる方向はタキノフ地内「こさがわ」の奥のように思われる。おそらく営巣もここでしてるものと思われる。 先日、2012年5月30日に、生家の敷地内の畑を耕していると筆者の子どもの頃と同様に、つがいのアカショウビンがやってきて頭上を飛翔して近くの堀切沢に驚かせた。 |
解 説 カワセミ科 越冬地の東南アジア方面から、5月頃に全国各地に渡来して繁殖する。特に南西部に多く渡来する。→越冬地地図 体長25〜27p。翼開帳約40p。雄雌ほぼ同色。 樹木のある谷川や山地の湧き水のあるところを好む。餌はサワガニ、カエル、カタツムリなど。 巣は木の穴や土手に穴を掘って作る。産卵期は6〜7月で一度に4〜6個の卵を産む。6月に大きな声で鳴くのはつがいの相手を探しているのだといわれる。 曇天や雨の降りそうな日によく鳴くことから「水乞鳥」とも呼ばれる。 鳴き声は、「ヒョロロロ」と聞こえる。また、時には、「ヒョロ、ヒョロ、ヒョロ」の鳴き声も聞える。本ページのBG音は、2012年の5月に下石黒の生家の近くにやってきた番の鳴き声を録音したものであるが、「ヒョロ」「ヒョロ」の鳴き声が聞きとられる。 名前の由来は「ショウビン」はカワセミのことで赤いカワセミの意味。石黒での方言名は「たうえどり」。 |