ヤマイ
暮らしとの関わり
 昔は、田の畦に生える強害草の一つであった。当時、畦草取りは子どもの仕事であったが、畦に生えたヤマイは、根がよく張っていて子どもの力では根こそぎ引き抜くことは至難であった。
 無理矢理引き抜くと、ごっそりと田の畦の土がついたまま抜ける。そのため、小鎌で根もとをえぐるように切り取った。炎天下にミンミンゼミの鳴き声を耳にしながらの作業は、70年近く過ぎた今も忘れることが出来ない。

〔写真2006.9.24大野〕


              草姿

写真2007.10.4下石黒
解 説
カヤツリグサ科
 北海道から九州の分布する多年草。主として水田の畦や日当たりの良い湿地などに見られる。
 高さは20〜40p。葉は根生で幅1〜2o、長さ10〜30p。
 花期は9〜10月で茎の先に長さ1.5pほどの小穂を一個つけ、基部に長さ1〜3pの苞葉がつく(上写真)
 名前の由来は、に似ているのでこの名がある。つまり「山にある藺(イ)」という意味。



  花序の長い包葉

写真2007.10.4下石黒