トキワイカリソウ | |
暮らしとの関わり 石黒では、ごく普通に見られる植物の一つである。家の周りにや道上の土手などでよく見られた。常緑であるため、晩秋から冬季に目を引く植物である。→冬の群生の様子 花は、よく見るとギンリョウソウのような透明感のある白色で、なかなか上品で美しいが、その割には注目されない花であった。 そもそも、石黒のような豪雪地帯では、早春に咲く白い花は概して人気がない。筆者の憶測に過ぎないが、その原因は、半年間悩まされ続けた白い雪のせいではなかと思う。 しかし、花の形が錨に似ていることが、海から遠い山村の子どもたちには、どこかロマンを感じさせる植物ではあった。 晩秋になると、別の植物かと思われるほど葉が紅葉する株もある。 福井県以西は赤紫色の花が目立つ。参考画像→福島桑折町の赤花 方言名も「エ(イ)カリソウ」でそのままであるが、「イカリソウ」というと分類上では別種を指す。 (2005.4.10寄合 右上下2004.11.6下石黒 ) ブナの根本に若葉を開いたトキワイカリソウ 写真2005.4.27下石黒 下から見たトキワイカリソウの花 写真2005.4.10下石黒 写真2019.4.23下石黒タキノフチ 開花と同時に開く葉 写真2005.4.18落合 花のつくり 写真2014.4.11 落花後の葉 写真2009.5.8寄合 果実 写真2015.5.30下石黒 初冬のトキワイカリソウ 写真2008.12.2下石黒 ウリハダカエデの葉に囲まれて 写真2004.11.6寄合 トキワイカリソウの根 写真2009.5.12下石黒 |
解 説 メギ科 新潟県から山陰にかけて、よく見られる多年草。 根茎は非常に堅く木質であり根塊状で長く伸びていることもある〔左下写真〕。 草丈20〜60pで同種では大型である。 葉は越年性で、やや厚く卵形から狭卵形で変化に富む。葉脈は凹み下面は粉白色または淡緑色。 冬には紅葉するものが多い。(上写真)新葉は花の同時期に開く〔左写真〕。 花期は4〜5月。白色(福井県が白花と赤花の境界)で直径2pほど。4枚の花弁には長い矩があるため花が錨に似ている〔左上写真〕。 花は葉とほとんど同時に開く。雄しべは4個、雌しべは1個。(下写真)ガク片は内ガク片4、外ガク片4個で外ガク片は開花とともに脱諾する(左下写真)。 種子はアリの好む物質(エライオソーム)が付いていてアリによって運ばれ広まるという。 名前の由来も錨ににていることと常緑であることから常磐(トキワ)の名が付いた。 赤味を帯びる若葉 写真2009.4.10下石黒 トキワイカリソウつぼみ 写真2009.4.15下石黒 開花直前 写真2009.4.15下石黒 トキワイカリソウ咲き始め 写真2019.4.23下石黒 写真2009.4.10下石黒 花弁の長い距 写真2010.4.30下石黒 雌しべと雄しべ写真2014.4.11 トキワイカリソウ果実 写真2007.5.30下石黒 変形の葉 写真2009.5.8寄合 紅葉した葉 写真2010.11.13下石黒 |