ギンリョウソウ
暮らしとの関わり
 子どもの頃、薄暗い林の中でこの植物に初めて出会ったときには、不思議な生き物に遭遇したという感動と、少し薄気味悪い感じがしたものだ。
 石黒は広葉樹林が多いので個体の数は比較的多いと思われるが、実際にはなかなか出会わない。
 上の写真は城山の尾根を落合川に向けて下りる途中の広葉樹林に20pほど間隔で2ヶ所に群生していた。
 石黒の方言の呼び名は「ユウレイバナ」。

(写真2005.6.23 右下2005.10.16寄合)


               花期

写真2011.6.9寄合

     花期2-
帯褐色はフラッシュ撮影のため

写真2007.7.1落合

               果実期

写真2007.7.5下石黒 

解 説
イチヤクソウ科
 日本全土の林の中の日影に見られる腐生植物
 根は褐色で塊となって集まり分枝してもろい。
 茎は、直立して1株に数本ずつ出る〔左上写真〕。根を除いた他の部分は純白色で高さ10〜15pある。
 葉はウロコ状で茎に互生〔左写真〕、下部のものは密に重なっている。
 夏に茎の先端に包葉に包まれた下向きの花を1個つける。花弁は筒状で3〜5個、各片とも内側に凹みヘラ状となり基部は多少袋状。
 おしべは6〜10本で花弁よりも短い。花糸に毛がある。子房は卵円形で花柱は太くて短く柱頭はキノコ状で縁は青色〔下写真〕
 果実は、液果で球形で白色〔上写真〕。後に茎が倒れて果実がつぶれ地上に種子をまき散らす。
 種子の周りは糖分が含まれていて蟻が運ぶ。 
 名前の由来はその姿を銀の竜に見立てたもの。



   花弁と雄しべと柱頭

写真2007.7.1落合-帯褐色はフラッシュ撮影のため


     茎に互生する葉
写真2005.6.23寄合