チゴザサ | |
暮らしとのかかわり 石黒では、除草剤のなかった昔は田の強害草であったであろうが、筆者には、チゴザサの記憶はない。 筆者が子どもの頃〔1950〕の頃は、田の畦草とりが夏休みの主な手伝いの一つであり、カヤツリグサやメヒシバなどは忘れられない憎い草であったが、このような草のイメージは全然ない。 チゴザサは、多年草であれば毎年田の泥を上げて作る畔には生育できなかったとも考えられる。 待てよ・・・、遠い記憶の奥に分け入って見ると、やはり、田の畔〔くろ-畦の外側〕には、このような細かな花序をつける草が群生していたようにも思う。だが、生育場所が水田、溝、湿地であれば田の畔には生育していたかどうか怪しくも思われる。 是非とも今後、石黒で観察するとともに、古老や同世代の人に尋ねて確認したい。 ところで、WEB上でチゴザサを岡山県の一部では「夜這いツル」との呼んだことを知って、石黒で「夜這いぐさ」と呼んだイボクサのことを思い出した。どちらも旺盛な繁殖力で隣の田に進入する強害草であったことは確かであろう。 写真2011.8.9 畔屋 花序の様子 写真2011.8.9 畔屋 葉のつき方-1 写真2012.7.4 藤井 葉のつき方-2 写真2012.7.4 藤井 根の様子 写真2012.7.4 藤井 |
解 説 イネ科 日本全土の水辺の湿地に群生する多年草。 茎は長く這った地下茎の節より立ち上がり、高さは20〜40pほどでまばらに枝分けする。 葉は互生し、披針形で長さ4〜6p、幅2〜6mm。先は尖り、基部は丸く〔下写真〕無毛であるがざらつく。葉鞘は縁だけに毛がある。 花期は、6〜8月。茎の先に長さ3〜6pの円錐形の花序をつける。花序の枝は細く数回分枝し小花の柄も細くヒゲ状〔上写真〕で小形の小穂を多数つける。 小穂は長さ約2mmほどで楕円状球形で小花は2個とも結実する。小穂の柄には膨らんだ環状の腺がある〔下写真〕。 苞頴は広卵形で鈍頭。護頴は苞頴よりやや大きく、革質。内頴も革質。 果実は長さ約1.2oの倒卵形で暗灰色、光沢がある。 名前の由来は「稚児笹」で、細く小形の草姿によるもの。 葉鞘の縁の毛写真2011.8.9 畔屋 開花へ 写真2011.8.9 畔屋 小穂の環状の腺 写真2011.8.9 畔屋 |