シロザ
暮らしとの関わり
 石黒では、シロザはアカザに比べて多く見られるが、個体数の少ない植物の一つである。1株で20万個の種子をつくる植物にしては意外に思われる。
 田中修著「雑草の話」によればシロザの種子は30年以上の寿命をもっていて毎年少しずつ発芽するのだという。
  また、分類上アカザはシロザの変種として単独アカザとして分けないことが普通といわれる。それにしても牧野植物図鑑でも寺崎植物図鑑でも分類の目、科名はアカザである。ただし、日本植物誌にはシロアカザの中にアカザの項目があり「栽培されたものが野生化した」とある。
 それはともかく、古代の帰化植物でユーラシア原産であるといわれるがどのような経路で渡来したものか想像してみるだけても楽しい。
 柏崎海岸にも、シロザは普通に見受けられる。それも、波をかぶるほどの波打ち際に晩秋まで見られる。葉は明らかに厚いがヘクソカズラのように自然に適応したものか、別種であるか今後よく観察してみたい。下写真
 ちなみに、シロアカザは杖に出来るほど大きくならないと言われるが下写真の「1.5mほどに生長したシロザ」は筆者が幼苗のころから観察したものだが十分杖になるほどの太さに成長した。

 (写真2005.9.21板畑)


       1.5mほどに生長したシロザ

  写真2006.9.3 寄合−やさんぐら地内-右奥は2004年の中越地震による崩落跡

                 群生

写真2010.10.16板畑

              変化に富む葉の形
写真2017.8.25 下石黒

             海岸のシロザ−葉に厚みがある

  写真 2012.9.2 荒浜海岸


                   群  生

 写真 2017.8.1藤井地内8号線バイパス予定地


解 説
アカザ科
 日本全土の畑や荒れ地に見られる一年草。ユーラシア原産の古い時代に食用植物として移入された帰化植物
 茎の高さ1.5mに達するものもある。〔左下写真〕途中から枝分かれてし古くなると堅く強靱である。
 葉は互生し柄があり菱形状の卵形で柔らかい。葉の形は変化に富み(左写真)、縁には不揃いの鋸歯がある。葉の裏や芽には白い粉がたくさんついている。
 花期は8〜10月で茎の先が枝分かれして穂状となって小さな花をつける。花の長さ約1oでが深く5裂し花弁はない。〔下写真〕雄しべは5本ある。雌花と雄花は開花時期をずらして自家受粉を避ける。
 種子は平たい扁円形では湾曲している(下写真)。径1.2oで黒色かつ艶がある。
 同種のアカザと共にホウレンソウの仲間で古くから食用とされ栄養価にも富むといわれる。
 名前の由来は、シロザのシロは若芽の色にもとづたものとされるがザの意味は不明。



       幼苗−1

写真2011.5.12 蒔種 松美町

      幼苗−2
写真2005.7.9下石黒

         花期
写真 2005.9.9 寄合

      シロザの花

写真2006.9.6板畑

     シロザの種子


写真2009.11.4寄合で採取