ササバギンラン | |
暮らしとの関わり 石黒では、昭和50年(1975)代には地蔵峠を越えて鵜川に至る道沿いで普通に見かけた。とくに大野地内でよく見かけた。 しかし、その後の山野草ブームで道端の株はほとんど盗掘されてしまった。(※この付近に多かったレンゲツツジもこの頃に激減した) 今ではササバギンランは、ごく珍しい植物の一つになってしまった。それでもキンランよりは個体数が多いが、キンランはもともと石黒では個体数の少ない植物であった。 筆者の観察の限りでは、ササバギンランもキンランも道端近くの木陰に多く生えるように思われる。そのために人の目につきやすく取り去られてしまうことが多いのではなかろうか。 写真2010.6.3 大野 つぼみ〜開花 写真2010.6.3 大野 長い包 写真2007.5.24 板畑 ササバギンランの花 写真2007.5.24 板畑 花のつくり 写真2007.5.24 板畑 |
解 説 ラン科 全国の山地に生える多年草。 茎は直立し淡緑色で高さ30〜40p。茎及び花序軸の稜に微細な棘状の突起がありざらつく(下写真)。 葉は互生し長さ5〜15p、幅1.5〜3pで、著しい数個の葉脈があり基部は茎を包む。(写真右上)。裏面及び縁には白色の短毛のような突起がある〔下写真〕。 5〜6月に白色の花を上向きにつける。包葉は長大で花穂よりも高くなる〔左上写真〕。 花は上向きで完全に開くことはない。外側のガク(外花被片)は広皮針形、内側のガク(内花被片)は少し小形である。 唇弁は外側のガクにかくれ広く先は鈍頭〔左下写真〕、矩は短くわずかに外側のガクの間に現れているが角張っている〔上写真〕。ずい柱は立ってその先端には直立したヤクをもち2個の花粉塊がある〔写真準備中〕。 名前の由来は「笹葉銀蘭」で葉が笹に似て花が白いことによる。 全体の姿 写真2007.5.30 大野 花の矩 写真2007.5.24 板畑 茎のトゲ状突起 葉裏の白色短毛状突起 写真2007.5.24 板畑 茎上部と下部の葉 写真2010.7.2 大野 |