レンゲツツジ
暮らしとの関わり
 石黒では「ンマツツジ(馬ツツジ)」と呼んだ。
 昔は山に多く自生していたが昭和30年ころから植木として乱獲され現在では自生しているものは極めて希である。
 子どもの頃は、ヤマツツジの花は見かけると採って食べたが、ウマツツジの花は食べると舌が割れると言い聞かされ決して食べなかった。ツツジで毒性のあるのはレンゲツツジのみといわれていることから子どものころに聞かされたことは根拠のあることであった。
 食糧難の太平洋戦争前後の頃の子どもにとってレンゲツツジは食べられないというだけの理由で、ヤマツツジにくらべて全然、価値のない植物に思われたのであった。
 現在では、家の周りに移植されたものはよく見受けられるが野生のものに出会うのはごく稀である。

(写真2005.5.26下石黒 移植個体)


         花期(移植した個体)

写真2009.4.30板畑(記録的少雪)

        ごく稀になった自生の個体

写真2005.5.24大野

                 秋の頃の様子

写真2017.10.19小岩峠

解 説
ツツジ科
 北海道から九州まで自生するツツジ科の落葉低木
 高さ1〜2m。九州から北海道まで広く分布。有毒成分をもつ。枝は車状に分枝する。葉芽と花芽は別で、葉は互生し長さは5〜10p。
 花は漏斗状で5裂し赤橙色で径5〜6p。雄しべは5個、雌しべ1個。
 九州地方には黄色の花の種もありキレンゲと呼ぶ(牧野図鑑)。
 果実は褐色の毛があり楕円形で長さ2〜3p。
 名前の由来には蕾の集合がレンゲに似ているためなど諸説がある。



     雄しべと雌しべ
写真2005.5.24大野

     ガクと花弁
写真2005.5.24大野