オギ
暮らしとの関わり
 石黒では「モウギ」と呼んだ。子どもの頃には、オギもススキも区別がつかなかったが、ススキが株立ちするのに比べオギは一本立ちである。〔参照写真ススキの株立ち〕
 オギは堅すぎて弾力に欠けるため屋根葺きの用材には不適であったと聞く。そのため努めて除去されることも多かった。しかし、最近ではススキを圧倒するほどの勢いを得ているところもある。
 もともと、石黒には「モウギ平」という地名があるほどであるからオギ(モウギ)は多かったのであろう。
 昔は、これを刈り取ってス(簾)を編み、秋の白菜洗いなどでその上に並べて水切りに使ったものだという。
 また、茎が竹のように堅いため野菜の支柱に適してるため現在でも使われている。
 今日(2015.9.27)安政町の鯖石川河口付近でススキより一足遅く花穂が開きつつあるオギに出会った。午後の斜光を受けて銀色に輝く様は美しかった。
参照→ススキとの比較
補記−モウギ

〔写真上・右上2006.7.11大野 右下2005.10.19寄合〕
   
             春の若葉

写真2016.5.1.藤元町

       下部の葉が枯れ落ちる花期のオギ

写真2009.9.20 寄合

     つぼみの頃と開き始め(銀色)

写真2015.9.27安政町

            開いたばかりの穂

写真2007.10.20大野

           成熟した穂

写真2006.11.20上石黒

              海岸のオギ    
写真2010.10.27青海川

小穂の比較 
 オギ  ススキ
 
写真2009.12.1下石黒
              冬のオギ

2015.12.20平井

      冬から早春にかけての様子

写真 2019.2.28藤元町
 
解 説
イネ科
 日本全国の川原などに分布する多年草。丈は2mを越える。地下茎を縦横に伸ばしその末端から茎を立ち上げ繁殖する。
 茎は堅くササの茎のようで簡単に折り取ることはできない。節から枝を出すこともある(上写真)
 葉の幅はススキに比べやや広く、幅25o以上ある。
 花期は9〜10月。茎の先に花穂を出す。ススキの花穂に比べて大きく且つ蜜である〔上写真〕。長さは25〜40p。小穂は長さ5〜6o、褐色を帯び披針形、基部の総包の毛は絹白色で長さは15oに達す。
 また、内外の2包穎は薄膜質で外面に白色長毛をつけ護穎内穎は膜質で包をもたない。
 ススキとの見分け方は、オギは湿地に多いこと。長い地下茎を有すること。穂が出る頃には下葉が枯れ落ちること〔左写真〕。
 開花がススキより若干遅く、花が大きいこと。ススキの実の先端から伸びるノギがないなどで区別できる(左下写真)
 名前の由来は不明。
 WEV上に「風になびく姿が霊魂を招き寄せるように見えることから、「おぐ」(招)が「おぎ」に変化したものといわれる」とあったが、なかなか興味深い。言われてみれば白い穂が風になびく様は神主が振る祓い串を連想させる。
(http://www.hana300.
com/ogi000.html)



 穂の開き始めの頃

写真2015.9.27安政町

     葉のつき方
 写真 2009.9.20上石黒

   茎を包む鞘の長い毛

写真 2008.7.1落合

    穂の独特の色艶
写真 2009.9.20上石黒

         小穂
写真2009.12.1下石黒

  ススキとオギの小穂比較

写真2009.9.20 寄合

    冬のオギ

写真2009.12.20上石黒


   竹のような茎

写真2015.12.30藤元町

折れた所から葉を叢生した個体

写真2009.4.8 田塚