石黒の動植物補記 モウギ ススキやヨシの仲間に石黒で「モウギ」と呼ぶ草〔オギ〕がありました。この草はカヤに似ていましたが茎に細かい毛が生えていて秋になると下葉が落ちる性質があり、竹のように硬く丈夫な植物でした。 私が子どもの頃、祖父や父は秋になりますと、このモウギの茎を3尺〔約1m〕ほどの長さに切り取ってきて菊などの花物や野菜などの支柱に使っていました。 とってきたものを乾燥するとなお一層硬くなり竹の棒と同じように使うことができました。 しかし、石黒にはモウギはあまり多くは生えていない植物でしたから、わざわざ遠くまで採りに行かなければなりませんでした。 文 田辺雄司〔居谷〕 |