ノニガナ
暮らしとのかかわり
 昨日、石黒の生家跡の山小屋の掃除にいくと小路の上り口の石の間から、ちょっと見慣れない草が生えていることに気が付いた。ハナニガナにしては小型で葉が線形に近いほど細くスマートである。
 目を近づけて見ているとやはり、筆者が子どもの頃から飼いウサギの餌に取ったニガナハナニガナとは異なる。子どもの頃から今日まで出会ったことはない草のように思われる。
 そこへ、たまたま村在住のS氏が通りかかり「何か珍しい植物でもありましたか」と声をかけてこられた。尋ねてみると、S氏もこの植物を見たのは初めてだと興味深そうに見ておられた。辺りを見渡すと敷石の外の土の上にもあちこちに生えている。とにかく、撮影して帰り調べて見ることにした。実の所その場所は仕事のはかどり具合では当日に除草剤を撒く予定であったが気がついて幸いであった。
 家に帰り、いろいろ図鑑やWEB上で調べた同定には至らなかった。柏崎の野草図鑑、新潟県の野草図鑑にも載っていない。
 1981年刊の「柏崎の植物」にも名前は見られなかったが、平凡社の「日本の野生植物」に「ノニガナ」の名前があった。しかし、掲載写真とは大分異なるようであり同定には至らなかった。しかし、それを手がかりにWEB上で調べるとまさしく「ノニガナ」であることが分かった。
 また、WEB上で調べた結果、多くの県でノニガナは絶滅危惧種に指定されていることが分かった。特に、関東・北陸・東北の多くがその対象となっているようだ。新潟県でも絶滅危惧U類に指定されている。
 
写真2016.5.8下石黒


                 全体の様子

写真2016.5.8下石黒

               果実期


写真2016.5.15下石黒



解 説
キク科
 本州から九州・沖縄までの田の畔や川原などに生える多年草。除草剤などの使用などで減少が著しい。
 茎の高さは15〜50p、根生葉は花期にも残る。  茎葉は線状ないしは線形ないしは線状披針形。茎葉は茎を抱き矢じり形で鋭く尖る(下写真)
 花期は4月〜5月。花の径は15mmほど。総苞の長さは7〜8mmほど。小花は15〜25個(上写真)
 そう果は楕円形で冠毛は準白色。オオジシバリとしばしば混生し種間雑種ノジシバリが見られることがある。ノジシバリの種子は不稔であり走出枝で増える。
名前の由来は野に生えるニガナという意味。



   茎葉の様子


    つぼみから花へ


写真2016.5.8下石黒

      種子
写真2016.5.15下石黒

     根の様子
写真2016.5.15下石黒