ノミノフスマ | |
暮らしとの関わり 春、耕す前の畑の草取りでよく見かける植物である。全体が繊細な感じの草で花も可愛らしい。 ナデシコ科であることは葉の付き方〔写真右下〕を見ると納得できる。 ハコベなどよく似た植物が多いが、見分け方としてはノミノツヅリは花弁が裂けず見かけも5枚、ハコベの仲間は花を真上から見るとガク片が花弁より長いことや毛が多いこと。ミミナグサの仲間は茎に腺毛があるため触ると粘っこいことなどで区別できる。 手元の主な植物図鑑には記述はないが、ノミノフスマの茎には、よく見ると稜がみられる。 〔写真2006.5.12大野〕 花期のノミノフスマ 写真2007.5.6下石黒 ガク片と包 写真2009.10.9寄合 花柱と雄しべ 写真2009.10.9寄合 葉の様子 写真2009.5.16下石黒 |
解 説 ナデシコ科 全国の田畑や道端に生える越年草。 茎は株状で地面に丸く広がり、まばらに分枝し緑色で細く無毛。長さ15〜20pほど。 葉は淡緑色で対生し柄がなく長楕円形または卵状皮針形で全縁か波状縁で一脈〔下写真〕、先端は鋭形。長さ8〜20mm。毛はなく白緑色である。質は軟弱。 花期は4〜10月。茎の先に花柄のある集散花序をつけ少数の白い花をつける。小花の柄は10〜15o、花径は5mm。花柄は細く長く糸状、包は小形で白色、先は尖り膜質〔左写真〕。 ガク片は5個、皮針形で先端は鋭形、毛はなく長さ3〜3.5o。 花弁は5個、白色で基部まで深く2裂していて10枚に見える〔左写真〕。ガク片よりやや長い同じ。雄しべは5〜7個、卵形の子房の先には3個の花柱がある〔左写真〕。 さく果は宿存ガクよりやや長く6裂する。種子は濃褐色で腎円形、鈍い突起があり長さ0.5〜0.7o。 名前の由来は茎を包むように付く〔右上写真〕葉の形をノミの布団に見立てたもの。 がく片と花片の長さ 写真2007.9.17下石黒 葉の見られる一脈−球は露写真2005.11.1下石黒 |