オランダミミナグサ

暮らしとの関わり
 春の畑の代表的な雑草の一つである。ノミノフスマなどと比べ勢力旺盛な雑草である。また、在来種のミミナグサに比べて大型で繁殖力も強い。
 軍手をして草取りをしていると,手にひっつく雑草がこの草である。これは、茎全体にある腺毛や軟毛のよるもの。
 オランダミミナグサの帰化は、明治時代末期に牧野富太郎博士によって確認されたと伝えられる。
 ミミナグサとの区別点として次のことがあげられるという。
@花のつきかたが密。
A花の柄がガク片より短いか同じ
→参考画像
B茎が緑色(紫色を帯びる個体も多い→上写真)
〔参考−柏崎・刈羽の山野草〕
 葉の形がネズミの耳に似ていることが名前の由来と言われるが、日常生活でよくネズミを目にした子ども時代(1945)を過ごした筆者には似ているとは思われない。一面に軟毛に覆われたところと大きさから連想したものであろう。

〔写真2006.5.8大野〕


        軟毛に覆われた葉 @

写真2009.4.6下石黒

          花のつきかた

写真2006.5.22大野

解 説
ナデシコ科
 全国の道端や畑や空き地などに見られるヨーロッパ原産の越年草
 茎は株立ちで、斜めに立ち上がり高さ10〜60cm。通常暗紫色をしていて毛があり上部には腺毛が混生する(下写真)
 葉は対生しほとんど柄がなく長さ約1.5cm〔上写真〕。葉も軟毛に覆われている(左写真)。下部の葉は小さくヘラ形となる。
 花期は4〜5月。茎の先端に多くの白い花をつける。花弁は5枚、長さ5mmほどで白色。花弁はガク片とほぼ同じ長さで先は浅く2つに切れこむ。雄しべは10個、子房の先に5個の花柱がある〔上写真〕
 果実〔さく果〕はガクよりも長く突き出て裂きが10裂して種子を散布する。
 名前の由来は茎に小さい葉が向かい合って付いている様がネズミの耳に似ていること、異国から帰化したしことによる。



 腺毛が混入する茎の毛

写真2010.4.25下石黒

  軟毛におおわれた葉 A
写真 2019.3.10新田畑