ノガリヤス
暮らしとの関わり
 石黒ではしばしば見かける植物の一つである。
 初めてノガリヤスと出会ったのは2006年の8月の暑い日であった。
 花坂新田の上の水路の木陰で一休みしていると、微風に揺れるノガリヤスの穂が目の前にあった。その涼感を誘う姿が印象に残った。今でも、本家のカゼクサよりも、こちらの方がその名にふさわしいという気がしてならない。
 昨日(2011.10.8)の夕方も、長い花序が夕日に映えてきらめくように微風に揺れる様に思わず見とれた。アメリカでは庭園植物として栽培されると聞くが、さもありなんという思いがする。→参考画像
 茎は細く、なよなよした感じだが手折ったり引き抜いたりしてみるとなかなか強靱な植物であることが分かる。
 また、葉の縁には非常に細かい鋸歯があり、触るとざらつく感じがする。

上写真2007.10.2大野用水路脇


              花期の様子

写真2011.10.8 畔屋 

             全体の姿

写真2007.10.2大野

              基部の葉

写真2009.10.3下石黒

      
解 説
いね科
 北海道から九州までの各地の林野地に生える多年草。異変の多い草。
 根茎は短い。
 茎は細く長く1mに達し強靱。数本まとまって生え直立するが穂が出ると重さで傾く。
 葉は細長く長さ30〜50p。幅3〜5p。剛質で葉面はざらつき縁には細かい鋸歯がある。
 8〜10月に茎の頂に20p内外の円錐花序をつける。花穂の中軸の各節から上向き短い花枝をだし全体に小穂をつける。
 小穂は1花からなり細長い。内外の2つの包頴〔ほうえい〕はほとんど同形同大ではその背面の基部近くから出る。(下写真)
 ジャノメチョウの食草。
 名前の由来は野にはえるカリヤスの意味。



      葉舌の部分

写真2009.10.3大野

        花

写真2007.10.2大野

       短い根

写真2007.10.2大野