ミゾソバ
暮らしとの関わり
 石黒では「コンペイトウグサ」と呼んだ。水気の多い沢の周りなどに、よく群生が見られた。家の周りにもあるので、女の子たちがママゴトで御飯や赤飯の代わりにした。
資料→ままごとの思い出
 花の色は、白色から紅色までいろいろである。茎の色も緑色から紅色まで変化に富む。
 村の古老の話では、昔は凶作のときには、この種子をソバ代わりに食べたこともあったという。
 時には大きな群生と出会う。先日(2007.10.21)まるで赤花の蕎麦畑を想わせるような群生とであった。(下写真)
 本種とよく似たママコノシリヌグイは石黒地区では見かけない。柏崎周辺でも、主として見られるのは海岸近くであるようだ。

(写真2004.10.12落合)


                 花期


写真2009.10.14 大野

        春のミゾソバ若草

写真2009.5.24 下石黒

       雌しべと花柱

写真2009.10.14 大野

                 群生

写真2007.10.21寄合
解 説
タデ科
 北海道から九州の沢や溝などの水辺に生える一年草、高さは40〜60pほどになり群生する。
 茎はまばらに枝分かれして稜があり、に沿って下向きのトゲがある。
 葉は互生し鉾形で先がとがり、基部は耳状に張り出し、その形が牛の頭に似ていることから「ウシノヒタイ」という呼び名もある。〔左下写真〕
 秋に、枝先に白色〜淡紅色で先が赤い花10個前後集めてつけ、花弁はなくガク片が8個、子房は卵形で花柱が3個ある。花柄に腺毛がある。〔下写真〕
 そう果宿存ガクに包まれ卵状球形で3稜があり、長さ3.5〜4oほどである。〔下写真〕
 また、茎の下部より細い枝を地中に伸ばし大型の果実を付け冠水する生育地でも種子を残すことが出来る。
 名前の由来は溝に生えてソバに似ていることによる。



   茎の稜と下向きのトゲ


写真2009.10.14 大野

     花柄の腺毛

写真2009.10.14 大野

        そう果

 写真2007.11.5 寄合