ママコノシリヌグイ

暮らしとの関わり
 ママコノシリヌグイは石黒には自生しているのであろうか。
 筆者は、生家の庭先の斜面に子どもの頃から生えていたものをママコノシリヌグイと思い込んでいた。
 しかし、今日そこに生えているのはイシミカワである。
 生家を離れていた30年の間に種が交代したことも考えられるが、未だ、石黒ではママコノシリヌグイに出会ったことがないので、おそらく筆者の思い違いであったに違いない。市街地周辺でも、ママコノシリヌグイが見られるのは主に海岸部である。
 今日〔2014.9.15〕岬館で行われた敬老会のあとで鯨波海岸に海浜植物の撮影に行ったところママコノシリヌグイの大群生に出会った。→参考写真
 ママコノシリヌグイは、花はミゾソバに似ているが、葉はどちらかといえばイシミカワに形がにている。この3種はいずれもとげがあり畑の縁や道端にはえるので昔から厄介な雑草として嫌われた。
 作物にからみつくと逆向きの鋭い棘で作物をつかんでいて、なかなか離れない。無理に離そうとするとからまれた作物を引き抜いてしまうこともあった。
 しかし、そのいずれの花も可憐である。
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 (写真2012.8.23番神)


       茎を巻くようにつく托葉

写真2011.10.28鯨波

                  花期

写真2011.9.15鯨波

                    群生

写真2012.8.23番神

解 説
タデ科
 日本全土の道端や沢の周りに生える一年草
 茎は蔓状で盛んに分枝し1〜2m、4稜がありの上に多くの鋭いトゲが逆向きに生えていて〔上写真〕他につかまって伸びる。茎は通常は緑色でしばしば淡紅色を帯びる。
 葉は互生し、逆向きのトゲのある細く長い柄があり〔左下写真〕、形は三角形で基部は浅心形、両面に多少の細毛がある。長さ3〜8p、幅3〜7p。托葉は葉状で茎を巻くように抱いている〔左写真〕
 花期は7〜9月。枝の上方で分枝し枝先に塊状に小花を密集する。
 花は花被(ガク片)の基部が白色で先端が桃色(下写真)。長さ4oほど。雄しべは8個でガクより短い。子房は倒卵状楕円形で花柱が3個ある〔写真準備中〕
 そう果は黒色で、球形、上部はやや3稜ががあり宿存ガクに包まれ上部は露出している。艶はなく形3o〔写真準備中〕
 名前の由来は刺のある茎で継子の尻を拭くという意味。まことに恐ろしい名前である。



     葉の形と両面
写真2012.8.23番神

        花

写真2012.9.9番神

    茎の稜と逆棘
写真2012.8.23番神