メドハギ
暮らしとの関わり
 上の写真のメドハギは、上石黒嶺坂の頂上付近の階段状の雪崩止めに生えていたものを撮った。
 当日、眺めのよいこの場所で昼飯を食べることにしたところ、目の前にメドハギがあり撮影した。
 同時期に斜面を彩る赤いヤマハギケハギ花は人目をひくが、メドハギの花は小さく且つ地味なため、目立たない。だが、よく見ると清楚な美しさをもった花である。
 ちなみに、これらのメドハギは、削り取った道路法面に人工的に吹き付けられた種子から発芽したものである可能性が大である。
 こうした種子の多くは中国や朝鮮からの輸入であるといわれるので、日本在来種ではない種(カラメドハギ・シベリアメドハギなど)の混入の可能性もあるという。石黒の幹線道路沿いに見られる多くのメドハギも同様である。今後、留意して比較観察をしてみたい。

 (写真2005.9.16上石黒)


          夏のメドハギ

写真2005.8.8上石黒
※牧野図鑑に漢名「鉄掃箒」とあるがホウキ草を想わせる草姿である。

           花のつくり

写真2007.10.27下石黒

           葉の拡大


解 説
マメ科
 日本全国の日当たりの良い土手などに多く見られる多年草で、多くは半ば低木状となる。
 茎は直立し高さ60〜90pになる。多くの枝を分け毛が多くあり縦に稜線がある〔下写真〕
 葉は互生し短い柄があり密生する。3小葉をもった複葉で小葉は線状のくさび形で先端は凹む。側小葉は柄が短く裏面には絹毛がある。
 花期は8〜10月で紫色の筋の入った白い花を葉の付け根に2〜3個つける。ガクは深く5裂し花の長さは2〜3o。花弁は白く長さ約7o。旗弁の中央部は紫色で竜骨弁は円形。〔左下写真〕雄しべは10個、下側の9個は基部で癒着する。
 豆果はレンズ形で網状脈が著しく微毛があり中に1個の種子がある〔下写真〕。結実率は高い。
 名前の由来は昔、中国で占いに使うゼイ竹の代わりに葉を落としたメドハギの茎を使用したことによる。→筮萩(メド→占いに使う筮竹のことハギ)
   


  茎の毛と稜線及び小葉


写真2009.9.14下石黒

        種子


写真2007.10.27寄合