ケハギ
暮らしとの関わり
 石黒には、ケハギとヤマハギが見られる。崖などに垂れ下がるように咲いているのがケハギであろう。
 昔は、ヤマハギとともに干して牛馬の冬の餌や燃料にした。→四季の農作業
 かつては、松沢川沿いの急斜面にケハギの大群生がみられたが、今では当時のような大きな群落は見られない。〔下写真〕
 
2009年9月に松沢川沿いで見事に垂れ下がったケハギに出会った。写真→クリック
 園芸種のミヤギノハギの元になったのは、このケハギだと聞くが、確かに,花はヤマハギよりケハギの方が見映えが良いように思う。花がヤマハギよりやや大形といわれるが比較してみたことはない。

〔写真2007.10.2 落合  右下2007.9.27下石黒〕


 
コンクリート断崖亀裂にに生えたケハギ

写真2009.5.8寄合

          ケハギの群生

写真2005.9.10 下石黒松沢川沿い

              花期

写真2015.9.23上石黒高床上り口

解 説
マメ科
 日本固有種であり、本州の日本海側の多雪地に分布する。北陸地方のブナ帯の日当たりのよい崖などに多く生える草木性の低木
 茎は角張り〔左下写真〕下部は木化するが、地上部のほとんどは毎年枯れる。多く分枝ししだれるものが多いが直立するものもある。高さ1〜1.5m。
 茎と葉には立ち毛のあるものから伏した毛しかないものまでいろいろである。
 葉は3出葉〔左写真〕茎の下部につくものは長柄をもつが小枝上のものは短柄。小葉は狭い楕円形からほとんど円形に近いもの変化に富む。長さ3〜5p。夜は軸に接して立って眠る。
 花期は早いもは5〜6月頃に咲くものもあるが普通8〜10月。梢の小枝の葉のつけ根から総状花序を出して紅紫色の花を多数つける。
 ガクは深く5裂し裂片は皮針形で先端は尖る。ヤマハギに比べ旗片が円形に近い楕円形〔下写真参照〕で外側に反り返る。翼弁は紅紫色であるが色が濃い。竜骨弁は翼弁よりも長く鎌状曲がる。雄しべは10個。
 豆果は広楕円形で細毛があり中に1個の種子を生じ、熟しても裂けない。しかし、結実は少ない。



     角張った茎

写真2009.5.8寄合

  ケハギ〔丸みのある旗弁
写真2005.9.9寄合

         種子

写真2009.11.29板畑 政栄