クロバナヒキオコシ | |
暮らしとの関わり クロバナヒキオコシは、道端などによく見かける大型の野草である。 夏に向かってアオジソのような葉をどんどん増やして成長する。秋になると広げた枝先に黒っぽい点のような小さな花をつける。石黒言葉でいうなら「えせぇもねぇ花」である。 しかし、目を近づけて観察するとなかなか愛嬌のある形である。年齢を聞かれた4歳児の手のようで可愛い。→〔右上写真〕 その小さな花にスズメバチがとまっている様を何度が見かけたことがあるが蜜をなめているのであろうか。 写真2005.9.2上石黒 クロバナヒキオコシ若葉 写真2005.5.5寄合 花期のクロバナヒキオコシ 写真2006.10.16居谷 写真2005.9.16上石黒 花のつくり 写真2006.10.16居谷 ガクに包まれた種子 写真2009.10.13下石黒 葉の表裏 写真2010.10.17下石黒 紅葉 写真2011.11.2上石黒 初冬のクロバナヒキオコシ 写真2010.12.2寄合 |
解 説 シソ科 北海道と本州の日本海側の山地に生える多年草。 茎は四稜があり直立して枝分かれし高さ1m内外に達する。稜の上に細かい毛がある〔下写真〕。 葉は対生し〔左上写真〕長さ6~15㎝、幅3~7.5㎝。縁に鋸歯がある。先は鋭く尖り基部はくさび形に狭まり葉柄の翼となる(左下写真)。表面にはまばらに毛があり、裏面は網状に脈が浮き出し腺点がある〔下写真〕。葉の厚さは薄い。 花期は9~10月。茎の上部に大型の円錐花序をだしてまばらに暗紫色の小さい花をつける〔左写真〕。 花は唇形で長さ5~7㎜で筒部は短く上唇が反り返って立ち浅く4裂する。下唇は舟形で前方につきだしている。ガクは中程までに5裂し細毛があり裂片の先は尖る〔左写真〕。花柄は細い。 果実が出来る頃にはガクは大きくなり幅の広い鐘形となり長さ3㎜ほどで4個の分果を包む。分果は長さ1.5㎜ほどで表面には白毛がある。〔下写真〕 名前の由来は昔から薬草として用いられ起死回生の効があると言い伝えられたことと花の色が黒に近い紫色であることによる。 茎の断面と稜の上の細毛 写真2009.6.19下石黒 浮き出した網状の脈と腺点 写真2007.4.29下石黒 吸蜜するスズメバチ 写真2009.9.14下石黒 クロバナヒキオコシの果実 写真2007.11.5落合 果実期 写真2011.11.4下石黒 種子 写真2010.11.13落合
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