コウヤワラビ
暮らしとの関わり
 石黒では、しばしば目にする程度に自生している。田の畦周りになどに小群落をつくっているものも見られる。
 名前も知らなかった子どもの頃から注目した植物の一つである。その海藻のような独特の葉の形も面白いし胞子葉の形も変わっている。また、どこか、全体にやさしい雰囲気を持っていて目を引く野草である。
 成長した姿も同科のクサソテツやイヌガンソクと比べ、その姿は控え目な感じをうける。
 ※2006年より分類上、オシダ科から独立してクサソテツイヌガンソクとともにコウヤワラビ科に属するとのことで、解説の分類もコウヤワラビ科に改めた。

写真2005.7.5 右上写真 2009.4.26・下2008.10.1 上石黒


            葉の開く頃

写真2007.51.9上石黒

      草全体の姿と茎基部の僅かな鱗片


写真2009.9.14居谷

             葉の開く様子

写真2016.5.2田塚

     太く長く這う根茎と栄養葉の中軸の翼

写真2010.6.9下石黒

       上部と下部の葉の羽片の基部の比較
写真2009.6.15下石黒

             群 生

写真2007.6.27寄合

             初冬の様子
写真2012.12.11下石黒

解 説
コウヤワラビ科(※元はオシダ科)
 北海道から九州までの各地のやや湿った所に見られる夏緑性で無毛のシダ。
 根茎は太く長く這い葉がまばらに出る(左下写真)
 葉の高さは40〜70p。柄は堅く、つやがあり基部にわずかに鱗片をつける。中軸は基部付近をのぞき著しいがある(左上写真)
 葉には胞子葉栄養葉があり、栄養葉は左写真のように5〜10対の羽片をもつ。上部の羽片の基部は広くなる。(左下写真)
 胞子葉は秋に出て羽片は開かず球状のままである。(写真右上・右下 )胞子葉は栄養葉と同株に生じ柄が長い。(下写真)
 名前の由来は和歌山県高野山に産するワラビと思われたことによる。



        幼苗 1
写真2011.6.12上石黒

       幼苗 2

写真2011.5.1下石黒

   栄養葉の網状の支脈

写真2010.6.3下石黒

      胞子嚢

写真2009.9.30下石黒

     前年の胞子葉

写真2009.4.28下石黒

    若葉の柄の鱗片

写真2009.6.15下石黒