イヌガンソク | |
暮らしとの関わり 石黒ではオシダと区別せずに「オニゼンメェ」と呼んだ。鬼ゼンマイの意味である。 初夏の頃、杉林の縁や雑木林の中で見事なイヌガンソクに出会うことがある。見とれてしまうほど堂々とした姿である。 また、春先、山の斜面に鳥が羽を広げた様な形の古い胞子葉も目を引く。(写真右上) 昔の石黒では、飢饉が続いた頃はイヌガンソクの芽をよく灰汁だししてゼンマイのように乾燥して食用にしたものだと聞く。 (写真上2005.7.8上石黒 右上2005.5.8上石黒) 葉の開く前のイヌガンソク イヌガンソクの胞子葉1 写真2009.4.27下石黒 ガンの翼に見立てた胞子葉 写真2009.5.19落合 |
解 説 オシダ科 日本各地の山地のやや開けた斜面の多少湿った場所にに多い。根茎は太い塊根となり多少横にねる。 葉は束生し胞子葉と栄養葉に分れ、栄養葉は高さ50〜80p。柄は短く、基部のほうに淡褐色の鱗片を多くつける。葉身は広楕円形で1回羽状で10対ほどの羽片に分かれる。上部の羽片は小型になる。 夏の終わりに胞子葉が出て秋から冬にかけて栄養葉は枯れ胞子葉は残る。胞子葉は、栄養葉より小形で、羽片は硬く縁が内側に巻いて中に胞子嚢を包み込んでいる。葉柄20cm強、葉身が25cmほどの長さで秋に褐色になり固くなり冬を越す。 名前の由来は胞子葉の形が雁の足に似ていることによる。「イヌ」がつくのはクサソテツのことを別名ガンソクと呼び食用とならず役に立たない意味でイヌがついたもの。 イヌガンソクの胞子葉2 写真2009.4.27下石黒 イヌガンソクの胞子葉3 写真2009.4.18下石黒
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